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8-2.いまさらきけない連立方程式(連立方程式を解くとは)

前回は、方程式x+y-3=0の解が無数にあることを話しました。同様に、方程式2x-y+6=0の解も無数にあります。ところが、この2つの方程式の共通の解x,yを考えると、この場合は1つに決まります。

このように、2つ以上の方程式の共通の解を求めることを連立方程式を解くといいます。
このシリーズでは未知数が2個で方程式が2本、未知数が3個で方程式が3本、未知数が3個で方程式が2本の場合を扱おうと考えています。(※1)

あまり使わないのですが、数学用語を紹介しておきます。方程式x+y-3=0は、未知数が2個で1次の方程式なので、2元1次方程式と呼ばれます。同じ考えで、方程式x+y-3zー5=0は、3元1次方程式です。このことから、未知数が2個で複数の1次方程式を同時にみたす未知数を考えるとき、これを連立2元1次方程式と呼ばれます。多くは、単に連立方程式と呼びます。同様に、未知数が3個で複数の1次方程式を同時にみたす未知数を考えるとき、連立3元1次方程式と呼びます。これも単に連立方程式と呼びます。△元は未知数が△個を意味しています。(※2)

ではどのように解くかというと、等式の性質を利用します。一般の等式の性質については、シリーズ3の方程式で話をしました。
この等式の性質を踏まえて、次のことは納得してくれるでしょうか。
イ)a=bかつb+c=dならばa+c=d,
ロ)a=bかつc=dならばa+c=b+d.

イ)は、等号の意味から得られます。aとbが等しいから、bをaに書き換えたのです。
ロ)は、等式の性質 a=bならばa+c=b+c で、イ)を適用して右辺のcをdに換えるとa+c=b+dとなりますね。

具体的に言えば、イ)3+2=5 で 5+4=9 なら (3+2)+4=9,
ロ)1+5=6 で 9=5+4 なら (1+5)+9=6+(5+4) ということです。
却って分かり難くなったかもしれません。

今回は、どのように使うかだけを紹介します。詳しくは、次回以降で解説します。最初に提示したものでそれを紹介しましょう。

.連立方程式x+y-3=0,2x-y+6=0を解いてみます。
性質 ロ) を使って、この2つの方程式を辺々加える(左辺は左辺、右辺は右辺)と、3x+3=0となります。したがって、x=-1です。これをx+y-3=0に代入すると、(-1)+y-3=0となるのでy=4となります。よって、(x, y)=(-1, 4) です。実際、これをx+y-3に代入すると0になり、さらに、2x-y+6に代入しても0になります。
つまり、(x, y)=(-1, 4) は、与えられた2つの方程式の共通な解です。■

次回は、性質イ) を利用する解き方(代入法)を紹介します。▢


※1 方程式の個数を△本で表現していますが、△個とも表現します。好みだと思います。

※2 細かいですが、2元連立1次方程式とか2元1次連立方程式ともいいます。他に、未知数が2個の連立方程式とか、2変数の連立1次方程式ともいいます。

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