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15.4 関数とグラフ(関数の定義)

今回の説明だけだと初学者にとって分かりにくいと思いますが、前回の説明を踏まえれば理解できると思います。関数の認識には前回のイメージも大切ですが、この先の関数を理解するには今回の内容を修得してください。

実数ℝの部分集合Xの任意の元$${x}$$に対して、ある働きによって実数$${y}$$がただ一つ対応しているとき:$${X⊂ℝ,X∋x↦y∈ℝ}$$
$${\bm{y}}$$$${\bm{x}}$$の関数であるという(※-1)。この働きを$${f}$$で表し$${y=f(x)}$$と書く。



関数の働きが$${3x+5}$$のように判っているときには、
         $${y=3x+5}$$ または $${f(x)=3x+5}$$
と書きます。$${f(x)}$$ はそのまま「エフ エックス」と読まれることが多いのですが、英語読みで "$${f}$$of$${x}$$"(エフ オヴ エックス)とも読まれます。この記号$${f}$$は functionの頭文字で funtion は関数 (函数) と翻訳されている(※0)ので、$${f}$$of$${x}$$は$${x}$$の関数と読んでいることになります。

$${y}$$が$${x}$$の関数であるとき、集合Xから実数の集合ℝへの働きが与えられていて、その働きが関数$${f}$$です(※1)。集合Xを関数の定義域、集合ℝを終域といい、それぞれ「テイギ イキ」「シュウ イキ」と読みます(※2)。

:集合Xのどの元$${x}$$に対してもその行先(対応先)は必ず決まっていて、その対応は唯一つです。高校数学Ⅰまではほとんど活躍場が与えられないのですが、高校数学Ⅱ以降はこれを踏まえて議論がされます(※3)。
注2:関数と同時に定義域が与えられます。ということは、関数を考えるときには定義域を忘れてはいけません(※4)。


中高の数学ならこれで十分です。この関数の$${x}$$を変数と呼びます。なのでこの関数は$${x}$$を変数とする1変数関数とも言われます。変数というときには、いろいろな値を動くことが想定されています。
さて1変数関数ということは2変数、3変数関数もあるのかというとあるし、$${x}$$に対しての対応が1つでないものも考えたりしますが、これらは大学以降の数学です。

関数は自然科学(物理など)や社会科学(経済学など)でも利用されるので、変数が$${x}$$とは限りません。物理では時間経過における物体の運動を考えることが多いので変数に$${t}$$が使われます。$${t}$$は time の頭文字です。また、$${y}$$ではなく対象によって$${s, v, h}$$などいろいろ使われます。つまり関数で大事なことは何が変数であり何を変化の対象としているかです。


関数で使われる記号$${f(x)}$$は便利な記号なので、次回はこの記号の基本的な使い方を紹介します。▢

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