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27.03 三角関数(準備③角の拡張と象限)

導入

度数法において、測れる角度の範囲は 0度 から 360度 まででしたね。でも多角形の内角の和を考えると 三角形は 180度、四角形は 360度 でしたが、五角形は 540度、六角形は 720度 と360度を優に超えます。でも内角の和なので何の問題もなく受け入れたと思います。

角の拡張というのは 0度 から 360度 まで の範囲に収まらなくても意味を持たせようというものです。720度なら2回転分だろうと考えた人もいるかと思いますが、それを一般化しようというのが話の中心です。


明石家さんまさんが昔、自分の父の話を笑いのネタにしていました。

  おやじが「高文たかふみの人生は380度変わった」と言うてね
  「ボクの人生、一回転して20度しか変わってへんのかい」

さんまさんは角の拡張を理解してたのですね。


さてここで思い出してください。三角関数では角を弧度(ラジアン)で考えるという約束でしたね。ここからは $${0 \leqq \theta \leqq 2\pi}$$ を超える範囲に意味を持たせ、考えられる角の範囲を実数全体に拡げていきます。


角の拡張

角$${\theta}$$の大きさを回転と捉えると $${2\pi}$$ を超えても考えることができます。例えば、$${3\pi}$$ という角は1回転半と考えます。フィギュアスケートでの3回転半ジャンプは $${7\pi}$$ジャンプ ということになります。

さらに角を拡張します。
回転にも右回り、左回りがあるので、数学では左回りを正の向き、右回りを負の向きとします。このように考えた角を一般角といい、角の大きさが実数全体に拡がります。
※ 左回り・・・進行方向左手側に極(中心)がある,  右回り・・・時計回り(※2


知識の整理

平面上に基準点Oと、これを端点とする半直線OXを取ります。次にOを端点とする半直線OAをOを中心として回転させます。

(※1)

用語を書き入れましたが暗記をする必要はありません。この用語を使うのは最初のうちだけです。正の向き、負の向きの約束だけは覚えてください。
左回りを正の向きとするのは数学での慣習ですが、陸上のトラックを走るのも、野球の進塁も左回りなので覚えやすいと思います。


確認問題1 次の角に対する動径を図示せよ。
     (1) $${\dfrac{\:2\pi\:}{3}}$$ (2) $${-\dfrac{\:\pi\:}{2}}$$ (3) $${-\dfrac{\:4\pi\:}{3}}$$ (4) $${\dfrac{\:7\pi\:}{2}}$$

確認問題2 動径OAの表す角θを答えよ。ただし、θは実数とする。





確認問題1の答え

確認問題2の答え (1) $${\theta=\dfrac{\:\pi\:}{4}+2\pi n \:\:(n\in \mathbb{Z})}$$ (2) $${\theta=\pi+2\pi n \:\:(n\in \mathbb{Z})}$$
※ $${\mathbb{Z}}$$ は整数を表す記号


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