見出し画像

"名を正す" ことからはじまる


名を正す

論語の子路第十三の三の一部「子曰、必也正名乎」のことです。弟子の子路が孔先生に「政治をするなら最初に何をされますか」とたずね「名を正す」と答えたとのことです。

「立憲」国家のはずなのに憲法で国民を縛ろうとしたり、「戦争が平和」で「裏金が還付金」だったりでは議論が成り立たないからです。このように名を正さなければめちゃくちゃになってしまうので、ここからはじめなければならないのです。


論語にはいろいろ訳がありますが

          安冨 歩 著『生きるための論語』

を気に入っています。この本には論語すべての訳はありませんが、どういう考えでもって訳しているかがよく分かり納得できるものです。「名を正す」は、第5章 132~144ページ にあります。

論語は学びの基本を教えてくれているものだとみているので、「名を正す」は学問の超基本だと思います。定義が曖昧なままでは議論が成り立たないからです。論文の価値が無になります。


「戦争は平和である」「無知は力である」という世界を描いた小説

           J. オーウェル著『1984年』

は読んでおもしろいのですが、そういう世界は御免です。


学問は常識を疑うことからはじまる

これを聞いたのは、哲学の授業だったと記憶しています。でもその当時は「常識」が何かを認識していなかったので分かりませんでした。当たり前と捉えたところでよく分かりません。「常識」を授業や教科書で学んだこと、テレビ新聞で見知ったことと解釈できれば、少しは理解できたと思います。


小中高で使用する教科書は「検定教科書」と呼ばれます。何を検定しているのでしょうね。少なくとも間違いを正すことでないことは、歴史の教科書や数学の教科書をみれば分かります。検定を検閲のことと理解すれば納得がいきます。ここまでは教える、これは教えない、このように教えるという枠に適っているものが検定教科書です。教科書に書かれていることが正解であって、たとえ正しくてもテストでは✖になります。だから些末なことで✖にされるのだと思います。

大学で使用する教科書は、各指導者が選ぶ―多くは指導者の著書―ので教える内容に統一感はありません。それに指導者はその道の研究者でもあるので、新たな見解を知ることもできます。


常識との違いを感じたいのなら

       渡辺 淳 著『遠き落日』
       関 良基 著『日本を開国させた男、松平忠固』

が読みやすいと思います。『遠き…』は野口英世に関する小説です。小学生が読むような伝記とのかなりの違いに驚かれると思いますが、常識の殻を破るおもしろい本です。

『日本を開国…』・・・「桜田門外の変で暗殺された彦根の井伊直弼でしょ」という人には超お薦めの本です。教科書、NHKの大河ドラマ、司馬遼太郎が伝えてきたことに見事に反するので、学問をしたい人向けの入門書として良いと思います。でも中高生には害でしかないのが残念です。


なぜテレビは只で視聴できるのか

ふつうこんなことは考えないと思います。なので「受信機(テレビ)の購入やNHK受信料などお金が掛かっているから只じゃない」と答えそうです。確かにそうでうが本質から逸れています。

ニュースだけでなく、映画、ドラマ、アニメ、報道バラエティーも只です。只で観られるのはお金を払っている人がいるからです。NHKなら国費が投入されています。民放なら企業です。民放ではCMが流れます。そのCMによって視聴者の購入意欲が掻き立ててものが売れるようになります。これで儲かるので企業はスポンサーになるのです。なので視聴者が少ないと番組は打ち切りになります。つまりテレビ番組はスポンサーがなければ成り立たないしスポンサーのためのものです。

ということは、番組内でスポンサーに不都合なことはいっさい流れません。映画でもドラマでもアニメでも報道バラエティー番組でもニュースもです。当然、出演者も選ばれます。
電力会社やJRは独占企業や寡占企業ですが、なぜかCMが流れます。つまりスポンサーになっているのですが、これは不都合なことを流させないためのものだと考えられます。

テレビは総務省から電波の許可を受けているので・・・ということになります。同様に新聞も企業広告なしには成り立ちません。その上テレビ新聞にはクロスオーナーシップ・・・省略します。

NHKも民放と大して変わりません。国費が投入されているので国民にとって大切なことを報道しているとは限りません。それにNHKの番組が正しい認識を流しているとは思えません。『日本を開国・・・』を読めば明らかです。
ところで、NHKオンデマンド配信がありますが只ですか。むしろ受信料の二重取りにみえます。公共・・・?


テレビ新聞は眉に唾をつけるくらいで調度いいのです。


テレビは現在進中の大問題をまともに報道しません。

       深田萌絵 著『NTT法廃止で日本は滅ぶ』
       鈴木宣弘 著『世界で最初に飢えるのは日本』

前者は携帯電話料金、ネット回線にも関わるとても身近な問題、後者は食料に関するとても大切な問題です。でもほとんど報道されません。「食糧危機くらい知っている。だから輸入が必要」という程度の問題ではありません。


テストや仕事に忙殺される日々だとは思いますが、隙間時間、通勤途中やトイレの時間を利用すれば結構な本を読めます。たぶん携帯電話に使っているその時間を読書にまわすだけで、月に1冊は読めると思います。

現在進行中の課題なら

       深田 萌絵 著『光と影のTSMC誘致』
       鈴木 宣弘 著『農業消滅』

これらは過去記事でも紹介しています。
歴史認識なら

       関 良基 著『赤松小三郎ともう一つの明治維新』
             『江戸の憲法構想』
      苫米地 英人著『洗脳経済』
      矢部 宏冶 著『知ってはいけない』

特に『江戸の憲法構想』は、タイトルでは想像のつかないことまでも書かれています。大学生の教養書としてお薦めです。

良基よしきさんは農学の研究者ですが歴史の話もおもしろいです。
下に専門の講演と歴史関係の講演の動画のリンクをつけたので、よかったら視聴してみてください。▢

【基調講演】関 良基 拓殖大学教授「堤防決壊の真の犯人はだれか」大災害の背景を考える~第121回草の実アカデミー 2019.11.16

【明治維新シリーズ】「赤松小三郎ともう一つの明治維新」(講師:関 良基)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?