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詩 眠りの花園

目を閉じて体の力を抜く

眠気のしずくがぽとりと落ちて

硬く閉ざした蕾に跳ねれば

しゅるりほどける真っ赤な花弁

眠りの花が頭の中で

ひとつふたつと花開く


甘く優しく芳醇な

眠気を誘う花の香り


するりするりとツタが伸びて

身体の上で交差をして

だんだん身体が重くなっていく


今の私はまるで死体

敷き詰められた花に埋もれて

棺桶の中で死人のように

静かにひっそり眠りにつく


朝日が私をキスで起こすまで

それまで今は眠らせて

花に埋もれて眠らせて








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