写真_2018-11-02_9_20_41

続)㊙おすすめ出来ないマッサージ店③何分施術するか患者(お客様)が決めるところ

もう一つ、根本的に世の中に欠けていると感じている
大切な考え方があります。
それはマッサージなどの『効果曲線』です。

効果と言っても体感的な効果なので数値化は難しいですが
長年この仕事についていて感じることは
マッサージの効果は前半であれば前半であるほど効果の割合は大きく
後半は少しずつ効果が小さくなっていきます。
個人差があるので見極めが難しいのですが
私はその効果が落ち始める時間でやめて差し上げたいと思うのです。
上の図で言うと赤丸あたりが理想だと思います。
私は時間がもったいないと思うのです。
仮にお客さんを60分マッサージしていて
30分でもう十分効果がでた(赤丸地点)かなと思った時に
おそらく世の中のマッサージは残り30分もマッサージを行い
60分のお代を請求するでしょう。
もしくはその効果の曲線を客観的に正確に把握できていないので
術者は不安で30分でやめられないのです。
そこで手をとめて
「楽にならなかった」とか「もっとして」と言われるのが怖いのです。
その感覚は分からなくはありません。私も最初はそうでした。
しかしそこで辞められる勇気(お客様目線の心)が技術や知識を成長させたと思っています。
私なら30分でマッサージを終え
「今回短い時間で十分効果が出ているのでお代も半分です。
でもこれは治っているわけではなく楽になっているだけ。
完全に今回の施術前と同じようになってからここにまた来ていたら
3歩進んで3歩戻るだけだから
今日3歩進んで1歩戻ってしまったかなってぐらいの
まだ症状が軽い時にまた来て下さい。
その時また30分すればもう3歩進むから。
今日これ以上(60分)したからって4歩も5歩も進まないから
またにしましょう」
と言うでしょう。
そもそも私の場合は最初から
60分でマッサージをすることなんて滅多にありません。
大抵の症状は最初から30分程度で良いと答えているとは思いますが
状況によっては15分20分で足りると答えておきながら
10分で終わったりすることもあります。
途中で辞められる勇気を持っていると
どんどん勝手にお客様目線で成長します。
自分の技術や知識が成長すれば同じことが
30分かかっていたのが20分で出来るようになれば
60分の値段で3回して差し上げられます。
それがもう少しレベルアップして
20分から15分で出来るようになれば
60分の値段で4回して差し上げられます。
今まで色々なところでマッサージを受けてきた方は
なぜか長い方が良いと思っている方が多くいます。

しかし同じ効果なら短く安いにこしたことはないと思うのです。
(気持ちよい時間を買っているなら長くても良いのです。
私もそうなら長い時間を提供します。
しかし主の目的が健康なのであれば
早く終わって楽しいことに時間とお金をつかうことの方が大切です。
健康とは真の目的ではないと思っているから。
私は健康とは何かしたいことをするために必要な道具だと思っています)

長い時間を選ぶお客様を否定したように聞こえたかもしれませんが
そうではなく本質は
『お客様が言った時間より短い時間をオススメする勇気がないセラピスト』
が多いからお客様にその感覚が芽生えていないのでしょう。
(ビジネスとして長い時間を提供したい気持ちもあるのかもしれません)

そもそもそのレベルにほど遠いセラピストが多いのかもしれません。
自分が習ったものを過信しすぎていて『良いものだから提供してあげたい』『これで皆さんを幸せにしてあげたい』が強すぎるセラピストも多いように感じます。
それを全否定はしませんが、バランスは必要だと考えます。頼って頂いたからには抜群のものを提供したいけれど、あくまで人生や幸福を決めるのは相手(お客様)だと私は考えているからです。

状態やお客様の求めるのもを聞いてからでないと時間を決められない訳です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?