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コーヒーとわたし___1

私は名古屋出身だ。

当たり前のように小さい頃から喫茶店によく行っていた。

子どもの頃はコーヒーは飲めなかったので、クリームソーダをいつも頼んでいた。

緑色のシュワシュワしたソーダと赤いさくらんぼに真っ白なアイスクリーム。

見るたびに心がワクワクした。

他の席のおじさんおばさんが新聞や週刊誌を見ながらコーヒーを飲んでいる姿を見て、自分も将来はあんな風になるのかなあと想像していた。

時は経ち、高校生になった私は勉強のお供にコーヒーを飲むようになった。

定番はミスドでフレンチクルーラーを食べながらのお代わりができるブレンドコーヒー。

勉強という名目の癒しの時間だった。

それからいろいろあり2010年8月、突如イタリア留学を決めた私はエスプレッソの本場でしこたまコーヒーを飲むようになる。(イタリア留学のお話はまたいつか)

どことなく名古屋の喫茶店と似ているような、でもちょっと違うような不思議な雰囲気を持つバールの魅力に取り憑かれた。

みんな自宅や仕事場の近くにお気に入りのバールがあって、エスプレッソやカプチーノには溶けきらないほどのたくさんの砂糖をいれて常連同士、顔をあわせてはお喋りを楽しむ。

この時からきっと、私にとってのコーヒーは「主役」ではなく「名脇役」という存在になっていた。

大事なひととの時間、読書の時、ひと息つきたい時、悲しい時、、、

「常に寄り添うようにコーヒーがあったらいいな。」


なんとなく「帰国したらコーヒーの仕事をしよう」と決めた私は、名古屋でエスプレッソマシンのあるお店を探しアルバイトを始めた。2011年5月ごろだったと思う。

家ではドリップを自分で淹れるようになった。

休みの日は喫茶店やカフェに行って、「ふむふむ」とか言いながらコーヒーを飲んでいた。

2012年5月、イタリアへ1ヶ月の放浪の旅へ出る。

シチリア島からどんどん北上して、最終的にはミラノから日本に戻る予定だった。

「明日の宿は明日考える」

ぐらいのアバウトな旅だったので気に入った街があれば気ままに滞在した。

留学時代にはローマより南へ訪れた事はなかったので、初の南イタリアに興奮したのだがそれはまた次お話で。

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