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昨シーズン振り返り サンフレッチェ広島編

今回はサンフレッチェ広島編です。

広島といえば、Jリーグにまた新たな素晴らしいサッカースタジアムが加わりました。
新スタはアウェー観戦の他サポにとっても貴重な財産です。
これから先、多くの感動がこの場所から生まれることを期待しています。


昨シーズン振り返り


まずは新旧監督の成績を見てみましょう。

スキッベスタイル

城福監督は4年間、そしてスキッベ監督が今年3シーズン目に入りました。
一貫して失点率が低いのは、佐々木翔を代表とする堅固な守備陣がメンバーを大きく変えずに残っていることが大きいようです。

城福監督時代はだんだんと点が取れなくなったことで退任となりましたが、スキッベ監督の場合は一年目と二年目で得失点の表れ方が大きく異なるのが興味深いところです。具体的に言うと、2022年は得点と失点の合計が93点だったものが2023年には計70点に減りました。それだけ試合が動くことが少なくなったということになります。(昨年2位のマリノスは激しい展開が多く計103点)

それでは昨年度の広島のサッカーはつまらなかったのかといえばそんなことはありません。
試合残り時間わずかのところで得点を取ることが多く、むしろ印象的なシーズンだったと思います。
そして、そんな劇的な展開は決して偶然などではなく、そこにはスキッベ監督の狙いが込められていました。

FootballLABを参考に独自にデータを加工して作成

まず左側の表から、
昨年の広島は、試合の中でどちらかのチームに得点が入る時間がリーグ内でも浦和に次いで遅いチームでした(平均で開始48分に試合が動く計算)。

そして逆に試合残り時間15分の局面で多くのゴールを決めています。それによって得た勝ち点は20とリーグ内でも突出して高い数字でした(真ん中の表)。

劇的な展開の原動力となったのが外国人助っ人たちです。右側の表が示すとおり、特にドウグラスヴィエイラエゼキエウは後半に出場してこそ輝きを増す選手でした。

前半はリスクを冒さずに強力な守備陣で相手を殺し、後半に強力助っ人を投入でギアチェンジで効率よく勝ち点をもぎ取る。
それが昨年度のスキッベスタイルというのが僕の見立てです。

“年一“の無かったシーズン

広島は攻撃のスタッツが軒並みリーグトップクラスの成績で、おそらくスキッベ監督の狙い通りのサッカーが展開できていたのだと思います。
それでも今年度に向けて敢えてネガティブな数字を持ち出すなら、シュート精度がかなり悪いシーズンではありました。

Sofascoreを参考に独自にデータを加工して作成

特にBOX外(ペナルティボックス外)の成功率の数字がかなり落ちています。
右側の表の選手内訳を見ると、いつもなら“年一“で決まるロングシュートが何故か誰も決められないシーズンでした。
これが偶然なのかどうかはよくわかりません。
ただ、ロングシュートの数はスキッベ監督になってから増えていて、戦術的な狙いであることは明らかです。必ずシュートで攻撃を終わらせるよう指示されているのでしょう。
サッカーというのは不思議なスポーツで、新しいプレーの決まり事ができると、それを始めた頃はプレーが徹底できないことで却ってバランスが良かったものが、考えなしに徹底するようになるとバランスが崩れたり相手が読み易くなったりして成績が落ちてしまうことがよくあります。今回のケースも、選手の中でシュートで終わらせる意識が強すぎるあまり精度が疎かになってきた可能性はあるかもしれません。

もう一つ、昨年度の広島はセットプレーによる得点が減っています。おそらく森島司の移籍が関係していて、キッカーの精度を求めることも今年度の課題になるかと思います。

選手動向

FootballLABを参考に独自にデータを加工して作成


これは、それぞれの選手がシーズンをまたいでどれだけリーグ戦の出場時間を増減させたかを表にしたものです。
(※基本的に増減が500分以上の選手のみを抜粋)
(※オレンジ色の枠は、シーズン中を含めたその年の新加入選手)
(※紫色の枠は、前シーズン中を含めた退団選手)

広島は内部で選手を育てるのがうまいので、選手移籍はそれほど活発ではない印象です。今年も補強は限定的でした。

ただ実を言うと広島はすでに大型補強に成功しています。
それは加藤陸次樹マルコスジュニオール、二人の存在です。
昨年途中加入の彼らが本領発揮するのはむしろ今シーズンからであり、課題であるフィニッシュの部分の精度を上げる大きな存在となるはずです。


今回は以上です。

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※記事内データ引用元サイト紹介

FootballLABさん

Sofascoreさん
https://www.sofascore.com/tournament/football/japan/j1-league/196


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