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母の面会と横浜に行ったGW

先頃は、世の中はGWだった。
晴れた日が続いて、まさに行楽日和。

私はずっと洗いたかった毛布やシーツを洗って干して、部屋の観葉植物達を陽や風に当てて光合成させたり、母の面会とか学校へ行ったりして過ごした。

母の面会は、1週間に1回程度にしている。
(父はもっと行ってるみたいだけど)
まだコロナも完全には終わってないし、病院でも15分しか面会してはいけない事になってるので、あまり居ないようにしている。
それと基本的な事だけどマスクと手指消毒は徹底している。

母は今、自分で歩く事ができないので、お茶やお水を買えないし、身の回りのもの、例えばティッシュとかも買えない。

看護師さんにお願いすれば買って来てくれるけど、それも忙しそうで頼みづらいらしい。でも、限界の時は頼んでいるらしい。

行った時は大体、私が足りないものを聞いて、下の売店で購入して補充をする。小さな病院の小さな売店だけど必要なものはちゃんと揃っていて電子マネーも使えた。

母が、父が持って来ていた体用のウェットティッシュはアルコールが入ってて痛いと言っていた。
それは健康な人が外で汗をかいた時に使うボディーシートだったから、私が使わせてもらう事にした。

たぶんだけど、体拭きにはおしぼりを使っていると言ってたので、ボディシートをおむつ交換の時のおしり拭きに使ってるのかな…と思って、それは痛かろうと思い、介護用のボディシートを売店で購入して補充しておいた。

私は、生まれて初めてのおむつ交換がまさか夫になるとは思わなかったけど、その経験のおかげでこれから誰かの介護のときに、どんな時にどんなものを使うかとか、どんな物があるといいかとかは少しは分かって、それは誰かのためになるかもしれないから、よかったなと思った。

母は自分でトイレにいけない状態なので、人におむつ交換を頼むしか無いのだけど、認知症でおかしな事を話してても、朝に会った人の名前も顔も覚えられなくても、おむつ交換を人にお願いするのがすごく抵抗があって恥ずかしくて嫌だと言っていた。

わざわざ私に電話をかけて来て、その事を話してたし、よっぽど嫌なんだろうと思う。

でもほっておいたらもっと不快だし悪臭などで周りにも迷惑をかける事になるし、「看護師さんは慣れてるし、そこは割り切ってお願いした方がいいよ!」と言ったものの、母の気持ちも分かるのでいたたまれないなと思った。

母は看護師さんの中で、おむつ替えの時に「ばかにしてくる人もいる」とも言っていた。
恐らく、看護師さんはバカにしてるつもりは無いのだろうけど何となくフレンドリーに話した事が「ばかにされている」と感じたのかもしれない。

看護師さん同士でその事に関する会話が業務的にでも飛び交っている事さえもきついのかもしれない。恐らく、便の状態がどうとか量がどうとか、患者の状態を記録する為に、必要な会話する事もあると思う。
それは身体の状態を把握する為に必要な事なんだけども。人がどう感じるかはなかなかデリケートなところだと思う。

私も、昔、夫がヘルパーさんや看護師さんにおむつを変えてもらっている時に夫がどんな気持ちでいるのだろうと心配になった事があった。
夫に聞いたこともあるけど、最後の方は「もう慣れた。」と言っていた。慣れるときがいつかくるのか。慣れるしかないし。彼は常に便秘と下痢に悩まされていてそれどころじゃ無かったのもある。(がん治療って、ほとんどお腹の諸問題とセットなイメージがあります。)
なかなか尊厳を守りつつケアするって難しいことだなと思う。

でも、一方で、母は看護師さんにすごく感謝もしていて、「こんなに重たい身体を動かしてすごく大変な仕事だと思う。」と言っていた。
「みんな本当に優しくていい子たち。」とも。

父は母に頼まれた看護師さんに渡す用のお菓子を抱えて持って来ていた。
父は自分で渡すのが恥ずかしいとかで笑、私がナースステーションへ渡しにいった。

初めは「本当にお気持ちだけで大丈夫です!」と断られたのだけど、「母が看護師さんに日々優しくしていただいてて、だからどうしても本当に感謝の気持ちで渡してほしいという事で。」と言ったら、何とかもらってくれた。

そして、相変わらず、認知症なのか、せん妄なのか、分からない状態は続いていて、入院中の病院は何故か「ロケ現場」という事になってるし、看護師さんや周りの患者さんも「俳優さん」という事になっていて、ドラマの撮影をしているという妄想の中に彼女はいる。医療系のドラマなのだろうか。

そして、母はドラマ撮影中のなか、ちゃんと手術を終えた。

手術をした事はさすがにリアルだと分かってるみたいで、でも、麻酔をかけてる最中に終わったから何も分からなくて、術後に何か先生からお話があったみたいだけど、何を言われてるのか分からなかったらしい。
「私、手術がうまくいったの?もうやらなくていいの?」と気にしていた。

父が「手術は成功したよ。」と聞かれるたびに答えて、その度に「よかった。」とほっとしていた。

手術が終わったことは、私もすごくほっとした。
本人が一番緊張してたと思うけど、私も気が張ってたんだなと思った。終わって気持ちが少し楽になった。

3週間くらい洗ってなかった髪も洗ってもらえたようでよかった。

帰りに少しデイルームで休憩したら、リハビリ室に向かう車椅子に乗った母と理学療法士さんと思われる方がエレベーターに乗って行った。母は何かを一生懸命話していた。

母が家族以外の人と話したり、社会生活を送れていそうなのを見れてほっとした。

父と私は静かに見送って、帰りにまたアイスコーヒーを飲もうとコーヒ屋さんに入った。

「お父さんて、いつもひとりで家で何を食べてるの?」と聞いたら、業務スーパーで買ったレトルトの麻婆豆腐にピーマンを刻んでプラスして、炒めて食べるのにハマっているらしい。
ピーマンを入れると味がちょうどよくなるとか。

「麻婆豆腐って美味しいよね。私はクックドゥの四川風の中辛が好き。」とか、ごはんの話をしたりした。

とりあえず後はリハビリがうまく行く事を願うばかりで、手術が終わって本当によかった。

***

GWは、横浜に授業を受けに行った。
受けたかった授業がそこしか空いてなくて遠いけど行く事にした。

横浜はあまり今まで行く機会か無かったので、駅を降りたら、あまりにも広くて見慣れない景色だったので、遠くまで旅行にきた人みたいな感覚に陥った。

休憩時間にビルの窓から外を見たら海が見えて「海だ!」てなった。突然の海の出現に興奮してしまった。

こんなに駅の近くに海があるなんて


帰りは頭もパンクして疲れ切っていたし、観光する時間も無かった。

せめて、家系ラーメンでも食べて帰りたかったけど、店を調べる気力も店に並ぶ気力もなく、駅で自分へのご褒美的にパン屋で珍しくパンを買って帰った。

浅野屋というパン屋さん。
創業90年のチェーン店らしい。
神奈川の方にしかないのかなと思ったら、調べたら東京にも店舗がたくさんあるみたいだった。
パン屋さんの袋のデザインがレトロ可愛かった。

なんかかわいい。

またいつか横浜に行くことあったら、今度はおいしい家系ラーメンが食べたいな。

あのラーメンの中のほうれん草がとても好きです。あと、生タマネギとかもあったら尚良いな。

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