重度心身障害児の側弯と緊張について


わたしは病棟で働いている時、プレーリーもみたこともなければ、側弯について考えたこともなかったです。
ですが、在宅では、側弯の予防に努めることはとても重要なことで、ほとんどのこがプレーリーをつけています。そこで、側弯について勉強してみました。
緊張については、病院では内服のコントロールくらいしかしてこなかったのですが、そのほかの対応法についても勉強してみました。

<筋緊張が強い児への対応>
 筋緊張の恒常的あるいは間歇的な亢進は、機能障害や苦痛だけでなく、睡眠障害や呼吸障害、胃食道逆流症なども引き起こす。
・筋緊張の要因:心理的要因、痛み、発熱、疲労、空腹、脱水、消化管障害、呼吸障害、誤嚥、睡眠不足など
・不安や精神的ストレスが緊張亢進の原因として最も重要
・痛みを訴えれないケースでは、様々な部位の痛みの可能性を考慮しアセスメントする必要がある
・緊張の亢進は呼吸障害の原因となるが、特に上気道閉塞性呼吸障害による呼吸の苦しさは緊張の原因となり悪循環になりやすい。適切な姿勢の保持や経鼻エアウェイ、呼吸器などで呼吸状態の改善に努める。

☆心理的対応☆
・精神的な充足感が得られるような日常生活を送れるようにする。
・リズムのある生活、周囲の人とのさまざまなコミュニケーションが豊富にある生活が基本となる。
・強くゆするなどの刺激価の高い遊びだけに慣れると、静かな関わりでは満足感が得られず、反り返りを伴う緊張が出てしまう例もあり、語りかけ、静かな音楽、見て楽しむなどによる静的な遊びや働きかけによって充足感が得られるような関わりを乳児期から積み上げていくことも重要。

☆適切な姿勢保持、機能訓練的対応☆
股関節屈曲がしっかり保持されることにより、反り返り進展の緊張の抑制が可能であることが多い。
・咽頭障害による上気道狭窄と緊張亢進があるケースでは、仰臥位やリクライニング座位により、前傾座位の方が呼吸が改善し、緊張が緩和する。腹臥位や半腹臥位がよい場合も多い。
・機能訓練的対応・適切に体を動かしてあげること(ハンドリング)により、緊張の著しい緩和が得られることも多い。

<脊柱障害(側弯を含む)>
・重症児は抗重力姿勢の保持が困難なため、脊柱に重大な障害ももたらす。
・脊柱障害の進行予防は、従来から姿勢の保持、リラクゼーション、運動療法、座位保持装置、車椅子の工夫などで対応する。
・近年ボトックス治療が普及してきており、脊柱周囲の著しい筋緊張へ筋注するとこにより緊張が低下して二次的に重症児の随意運動、摂食、嚥下、発声などが改善する。
体幹の筋の緊張の左右差が側弯・胸郭変形をきたす大きな要因である。頭部が片側のみを向いていることがこの左右差を生ずる大きな一因となるので、頭部が体幹に対し中間である姿勢をとるようにする。
強い左右差のある股関節脱臼や亜脱臼があると、これによる骨盤の傾きが側弯の要因になるので、脱臼・亜脱臼への治療を考慮したほうがよい。
凹側の体幹をしっかり伸ばすようなハンドリングや姿勢保持を行う。座位の姿勢にすることが、他の面からは望ましくても、側弯は悪化させてしまうことが多く、悪化防止のための適切なシーティングシステムを作成することと、長時間の座位は避けること、腹臥位などできるだけ脊柱が伸びだ状態に短時間でもしてあげることが必要。
(頸椎の障害)
・頸椎柱が体幹に対して中間位になるようなポジショニング、随意運動の促進を心掛けることが基本。
・過緊張型、アテトーゼ型の重症児では、頚椎症が高率で合併し、頸椎側弯変形も伴うことが多く、超重症児では咽頭・期間などの変形もきたす。

(胸腰椎の障害)
・重症児では胸腰椎部での麻痺性側弯は必発。
・単純な右凸側弯変形は少なく、著しい回旋変形を伴うことが多い。
・左凸側弯や著しいS字型DoubleCurveの側弯と回旋変形が強い症例では、胃・食道逆流症を引き起こす。
・腰椎部での強い側弯・前弯変形は小腸・大腸の通貨障害を合併することがある。

(腰仙椎の障害)
・麻痺性股関節脱臼があると二次的に腰椎側弯・前腕増加を合併する。

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