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子どもによく使う軟膏・おむつかぶれ・ステロイド外用について



白色ワセリン
・吸水性と皮膚への浸透性が少なく、粘着性が強い。
・皮膚からの水分の蒸発を抑制する効果がある。
・大量に塗ったからといって保湿効果は高くならないが、皮膚の水分は少しずつ失われ
て乾燥するため少量塗布を繰り返すことで効果は高くなる。
・入浴後など保湿をした後に使うと効果が高くなる。
・日焼けする可能性があるときは、油やけという症状を発症することがあるので注意する。
ヒルドイド・ヘパリン類似物質製剤
・皮膚に適度な水分を保持させ、刺激や乾燥などから皮膚を守る。
・湿疹などの発生や悪化を防ぐ。
・乾燥が気になるときに使うとよい。ワセリンはべとべとするがヒルドイドはさらさらとしているので全身に使いやすい。
アズノール
・炎症を抑える
・消炎作用は穏やかで比較的軽い症状に適する。
・アレルギーを抑える
・湿疹、やけど、皮膚潰瘍などに用いる。
・ステロイドの外用薬ほど、劇的な効果は期待できないが皮膚保護剤として長期的に使用しても安全。
亜鉛華軟膏
・患部の乾燥を促す
・傷口保護
・副作用がほとんどなく長期的に使用しても安全。
使い方
・びらんや潰瘍が見えなくなるくらいたっぷり塗布する。
・排泄物などで汚染したときは、汚染したところは一度きれいに洗い流す。洗う部分は汚れた部分のみでよい。頻回な洗浄は逆に刺激になってしまうので、しっかりとした洗浄は1日1回にする。

おむつかぶれについて
おむつかぶれを治すには、皮膚を排泄物から守ること、清潔を保つことが大切。おしりふきで拭くときは軽くポンポンと拭く。ポンポンだけで取れない場合は、ペットボトルなど使用してお湯で軽く洗い流して、水分をポンポンと拭きとる。おむつもできるだけ頻回に確認し、排泄していればすぐにおむつ交換をする。
軽いおむつかぶれは、ワセリン塗布で皮膚を排泄物から保護するだけで治ることもある。始めて発赤を見たときや、拭いても痛がらない場合はワセリンで十分。
発赤(じゅくじゅくしておらず、赤みがある)が持続する場合、少し痛がる様子が見られる場合などはアズノールを使用する。おむつ交換のたびに塗ってもよい。
じゅくじゅくした状態になってしまい、排泄するたびに泣いて痛がるとき、下痢が頻回な時は亜鉛華軟膏でしっかりと保護する。患部が汚染されないようにしっかり塗る。おむつ交換の際は汚れた部分のみ軽くふき取る。入浴時前にオリーブオイルなどでしっかりと落とし、入浴でしっかり洗う。入浴後にまたしっかりと塗る。

ステロイド外用
・短期間で炎症を抑える強い作用がある。塗布は1日2回から開始する。
・患部に直接作用するので内服薬のような全身性の副作用はほとんどない。
・ステロイド外用薬の強さは抗炎症作用と血管収縮機能の強さによって5段階にランク付けされている。
☆注意点☆
・細菌やウイルス、真菌などによる皮膚感染症には原則用いない。特に、皮膚結核、梅毒性皮膚疾患、単純疱疹、水痘、帯状疱疹などは禁忌。
・小児では皮膚もデリケートなので、ステロイドのランクや使用回数・期間などをよく考えて使用する。おむつで覆うと、局所作用や副作用が強まり、さらに体内に吸収されやすくなるため注意する。

STRONGEST:テルモべート
VERYSTRONG:マイザー、アンテベート、ネリゾナ
STRONG:リンデロンVG
MEDIUM:ロコイド、キンダベート
WEEK:プレドニゾロン軟膏、エキザルベ

デルモベート
・症状が重い時に用いるほか、苔癬化した湿疹など皮膚が厚くなっている部分や円形脱毛に適す。
・顔など皮膚の薄いデリケートな患部には使用しない。

リンデロンV
・ステロイドのSTRONG
・1~2週間で使用する

ロコイド
・作用が穏やかで全身性副作用もでにくいため、比較的軽い症状から使用でき、小児で使用されることが多い。

エキザルベ
・ステロイドと混合死菌浮遊液の混合→感染を防ぐ
・ステロイドの効果は一番弱い

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