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F-SUGARの話

東京の中野区弥生町にF-SUGARというお店がある。
そこの店主である佐藤さんには多くのことを教えていただきました。
佐藤さんがいなければきっと僕のエレキチェロはどうしようもないショボイサウンドになっていました。ベースの前川とよく通っていました。アンクルボーイのサウンドも佐藤さんのおかげだったと言っても過言ではありません。
シールドも作っていただきました。今となっては宝物になってしまいました。
その中でも僕が注文して作っていただいたペダルを紹介・・・いや、自慢させてください。

クリップチューナーが苦手なのでチューナー用のスイッチを作っていただきました。
アンクルボーイ時代に通常のエフェクトの回路とラックのエフェクトの回路を使いたくてループのペダルを作っていただきました。1+2もできます。当時はマルチエフェクターが苦手だったのでね。
アンクルボーイ時代にアンプをマーシャルとJC-120の2台を使いたくて出口のスイッチを作っていただきました。A or bにもA+bにもなります。どちらも消すとミュートに。当時はボリュームペダルも使っていなかったので。さらにチューナーアウトも。クリップチューナーとマルチエフェクターを使わないと必ず必要 になります。

このようなスイッチはあるのですが、当時あったメーカーだと音が変わってしまったり音痩せしたりで最終的に佐藤さんにお願いしていました。「ジャックの位置はどうする?ここにするか?」などと相談してくれて・・・これらのペダルも宝物になってしまいました。

3月初旬に数年ぶりにエフシュガーに伺い、佐藤さんと久しぶりに再会しました。音と配線に愛情がある素晴らしい職人さんでした。この時がお会いするのは最後になってしまいました。
しかも、僕が最後にお願いしたのはエレキギターのピックアップ交換。

「こんなデカいギター、置いとくのも邪魔だから今すぐ作業するよ〜」と言ってくれて・・・僕はずっと作業している様子を見学していました。とても幸せな時間でした。
フロントはディマジオのPAF pro、リアはダンカンのinvader。ストラップは名古屋のレイドバックのハンドメイド。チェリストなのに昔からギターのピックアップとか大好きで意外と詳しいのです。
メガデスのデイヴモデルのキングVです。もう一生売らない僕の宝物になりました。

本当はこんな趣味で使う安物ギターの修理をお願いするのに申し訳なくてずっと躊躇していましたが、何となくタイミングが合い、久しぶりに佐藤さんとお会いしたくて・・・エレキチェロじゃなくて情けない思いでいっぱいでしたが、これから頻繁に通おう〜、と思っていたのに突然の訃報に驚きました。
最後にお会いできてよかった。でも、もういないと思うと寂しい。
ここ数日、ずっと心にポッカリと穴が空いていました。

僕はギタリストではなくチェリストです。
特にエレキチェロが得意です。どんな音楽でもエレキチェロを合わせるような器用なことはできません。するつもりもありません。
僕の追い求めているサウンドの追求をしていきます。
最近はSNSでお見かけする何のこだわりもないエレキチェロの歪みのサウンドを耳にする機会が多くなり、プリセットの延長線のサウンドや他人に作ってもらった歪みの音は薄いです。単純に「舐めんなよ」と思ってしまい、それらのおかげで自身の歪み愛に火が付きましたので今は歪みの研究をしています。自分のこの先にやろうと思っている音楽の合うサウンドを研究しています。

佐藤さん、長い間お世話になりました。
本当にありがとうございました。