高頻度取引(HFT)の遅延問題を解決する方法とおすすめのプログラミング言語
音楽家育成塾のこうたろうです。
本日はコラム回。
最近はたくさんの方からアクセスをいただき、記事の購入もいただき誠にありがとうございます。
感謝の想いでいっぱいです。
本日は量子力学的なお話になります。
音楽家育成塾では潤沢な制作予算を自分で確保するためにお金の知識をつけたり、トレードの知恵をつけたりすることを肯定しています。
本日はそんなお金に関するコラムというわけなんですが、みなさんは高頻度取引というのをご存知でしょうか。
高頻度取引とは?
エジソンが発明したティッカーテープが主流だった時代(19世紀後半から20世紀初頭)、一つの取引が完了するまでには数分から十数分かかることが一般的でした。
現代はどうでしょう?
コンピューターの発達によって現代の高頻度取引(HFT)では、1秒間に数千から数十万回の取引が行われることがあります。
取引は1秒間に数千から数十万回の取引が行われることが一般的でであり、アルゴリズムが市場の動きを瞬時に分析し、売買を自動的に実行します。
データの転送速度
光ファイバーケーブルや無線通信で光(フォトン)を使用してデータを送る技術により、非常に高速なデータ転送が可能となっています。
光は真空中で約299,792,458メートル毎秒(秒速約30万キロメートル)の速度で移動しますが、光ファイバーではこの速度が少し遅くなります。
それでも、光を利用することで非常に高速なデータ転送が可能です。
この速度は非常に速く、遠距離間のデータ転送でも非常に短時間で行われますが、光速には限界があり、例えば、地球の反対側へのデータ転送でも、光の速度では約0.1秒程度の遅延が生じます。
この遅延は通常のインターネット使用には問題ありませんが、高頻度取引のような超高速処理が求められる場面では影響を与えることがあります。
ニューヨーク証券取引所とナスダックの距離
ニューヨーク証券取引所のサーバーとナスダックのサーバーでは
距離が56.3km離れています。
この距離感ですと、光の速度でデータが伝わる場合、約187.8マイクロ秒の遅延が発生します。
この遅延は非常に短い時間ですが、高頻度取引のような超高速な処理が求められる環境では、無視できない影響を与えることがあります。
例えば1秒間に1万回の高頻度取引を行った場合、光速による187.8マイクロ秒の遅延は約1.88回分の取引に影響を与えることになります。
つまり、約2回分の取引がこの遅延の影響を受ける可能性があるというわけです。
量子もつれによる解決
今後高頻度取引の頻度がさらに高まっていくことは容易に想像できますよね。
ただし、1秒に一万回取引するとして、約2回分の取引注文に問題があるというのは、悩ましい問題です。
これを解決してくれるのが、量子もつれ(エンタングルメント)。
量子もつれは量子力学の不思議な現象であり、二つの粒子が「もつれた状態」になると、たとえ遠く離れていても、片方の粒子に何かが起こるともう片方もすぐに影響を受けるようになります。
これは、情報が瞬時に伝わるかのように見えますが、実際には「通信」しているわけではなく、あらかじめ粒子同士が特別な関係を持っているからです。
どうしてすごいの?
この現象を使うと、離れた場所にあるコンピューター同士が、光の速さ(という量子力学の世界からみると非常に低速な速度)による遅延なしに、同時に正しい取引決定を行えるようになるかもしれません。
例えば、ニューヨークとナスダックにいるコンピューターが、もつれた粒子を使って情報を共有すると、ニューヨークで起こったことがナスダックに瞬時に伝わり、取引のスピードが劇的に向上する可能性があります。
理論上、瞬時ですから頻度は無限に上げていくことができます。
例えるなら?
量子もつれは、まるで魔法の糸でつながれた二つの人形のようなものです。一方の人形の手を動かすと、もう片方の人形の手も同時に動きます。
たとえその二つの人形が何キロも離れていても、動きは完全に同期しているのです。この魔法の糸が、取引の世界で遅延をなくすために使えると考えられているのです。
量子もつれはまだ研究が進んでいる分野ですが、もしこれを実用化できれば、今までにないスピードでの取引が可能になるかもしれません。
過去の取引が可能になるのか?
さて、ここまで見ると、まるで光速度を超える速度で通信が行われているように見えます。
すると、どうでしょう、理論的には過去に遡るような通信が可能になるかもしれない、というアイデアが浮かびますよね。
これは、特殊相対性理論による「因果律の逆転」と関連しています。
実は量子もつれを使うと、「光の速度を超える」かのように情報が伝わるように見えますが、実際には光速を超える通信が行われているわけではありません。
量子もつれを使って粒子間で瞬時に相関が生じることは事実ですが、この現象は「情報を送る」こととは異なります。
つまり、情報が一方の粒子から他方の粒子に移動しているわけではないのです。
もつれた粒子はあらかじめ関係性が決まっていて、その関係が測定によって「明らかになる」だけです。
個人での高頻度取引
今後個人でも高頻度取引が可能になっていきますが、そのための開発としてはやはりC++が速度という面でも理想です。
おすすめのプログラミング言語
C++は非常に高速で、メモリ管理が精緻であり、リアルタイムの要求が厳しいアプリケーションに適しています。
また、C++は低レベルなハードウェア制御や高効率な並列処理が可能で、レイテンシーを最小限に抑えることができ、多くのHFTプロフェッショナルがC++を使用している理由でもあります。
Pythonはアルゴリズムの開発やプロトタイピングに適しています。
豊富なライブラリと直感的な構文により、短期間でアルゴリズムを設計し、テストすることが可能ですし、特に、データ解析や機械学習の統合に優れているため、バックテストや戦略の改良に便利。
ただし、パフォーマンスが重要な本番環境では、速度がネックになることがあるため、Pythonでの開発後にC++での実装を行うことが推奨されています。
今後トレードの世界も量子もつれの導入によりさらに高頻度取引が加速していき、個人トレーダーは大きな波に乗るしかありません。
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