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芸能事務所の広告窓口がやっていることと必要なスキルを紹介します。


こんにちは、新保紘太郎(@charytaro)です。
現在、芸能事務所プラチナムプロダクションの広告部で5年目になるのですが、人手が足りていないです。
この記事を読んで興味を持った方はDMください!!!(←久々にnote書く理由です)

なかなかリクルートがうまくいかない理由の1つに、普段やっている業務がイメージしづらいことがあると思うので、まずは業務内容と必要なスキルの紹介から。

■業務内容と必要なスキル

①クライアントの要望にハマるタレントを提案するキャスティング業務(リサーチ力/提案力)
②起用決定からローンチまでの出演調整業務(リスクヘッジ力/マルチタスク力)
③イベント/撮影現場の立ち会い業務(判断力/トラブル対応力)

※ベテランの方が多い業界の中で、あくまで5年目ペーペーの僕の考えです(予防線)


①クライアントの要望にハマるタレントを提案するキャスティング業務(リサーチ力/提案力)

「CMに主婦層に認知度が高いタレントを出演させたい」「新サービスの発表会イベントにメディアを呼べる旬なタレントを起用したい」「キャンペーン期間に合わせてZ世代に人気のインフルエンサーにSNS投稿をしてもらいたい」のような広告主からの依頼が日々広告代理店からキャスティング会社に、キャスティング会社から芸能事務所に落ちてきます。

キャスティング依頼にもある程度のランクがあり、年間契約4桁万円クラスの案件であれば有名タレントへの指名依頼、3桁万円クラスであればネクストブレイクのタレントを提案、それ以下であれば広告の演出プランに合うような駆け出しのタレントをオーディションで選定していくような進み方になります。
このような依頼に対して、いかに精度高く要望に合うタレントをセレクトして提案できるかが案件獲得のポイントになります。

ネクストブレイクの提案であればタレントの今後の露出状況を把握しておいて、「○月からドラマ主演が決まっている」「ネットメディアの注目タレントランキング▲位に選出」といった補足情報が最後の後押しになることも。
オーディションの提案であれば、「20代後半の真面目そうな会社員風女性」「高校生に見えて自然な演技ができる女性」のような粒度のオーダーに対して、過去のCMで起用されているキャストの系統を参考に提案したりと、ただ年齢や条件に合っているだけの提案+αのリサーチ力と提案力が必要になってきます。

※弊社の場合広告キャスティング依頼は1日5〜10件程度、月間100件を超えます。
※ベテラン社員は他社タレントの契約状況まで把握してます
※キャスティングはセンスって言ったりするけど、トレンドを抑えるリサーチ力と≒かと。

②起用決定からローンチまでの出演調整業務(リスクヘッジ力/マルチタスク力)

提案が無事通り、起用されることが決まったらローンチまでにも多くの業務があります。
キャスティング段階ではざっくりの企画案だったものが、具体的な演出プラン・衣装・セットデザインが決まっていきます。
詳細が詰まっていくのに合わせて、セリフの言い回しや演出イメージがタレントイメージと乖離しないよう調整したり、難しすぎるダンスや歌モノの難易度をやさしくしてもらうような撮影当日に向けた擦り合わせをしていきます。
細かい部分だと演出に合わせて相性の良いヘアメイクさんやスタイリストさんを依頼したり、撮影当日のケータリングにアレルギーが含まれていないか、特に多忙なタレントの場合は1日複数の仕事が入ることも多いので、当日のタイムスケジュールは無理なく時間通りに進行するかを想像しながら懸念点をつぶしていきます。

ローンチが近づくにつれて、CMに付随する各広告物のコンテや掲出先の決定、情報解禁日の設定やプレスリリースの確認も進めていきます。
上記に加えて、金額規模が大きい案件では契約書の締結作業もあります。
最終チェックは顧問弁護士などがするとしても、競合排除の範囲がどこまで広いのか、使用期間や使用媒体はどこになるのかといった最低限の契約内容のチェックは行ないます。

このように細やかなリスクヘッジする調整作業が、有名タレントだと1人で数社~十数社の広告出演、所属者全体で考えると常に複数案件が走っているのでマルチタスク処理する能力が必要です。

※わかりやすくCMの場合の流れを書きましたがイベントやSNS案件ではそれぞれ注意する点も違ってきます

③イベント/撮影現場の立ち会い業務(判断力/トラブル対応力)

そして撮影当日を迎えると、現場に立ち会います。
立ち会いと言ってもただ突っ立っているだけではなく、現場判断が必要な場面が出てきます。

絵コンテ通りのセッティングでも実際に撮影したらアングルが不自然だったり、指示された表情に違和感があったりした場合、待ったをかけられるのはモニターチェックをしている広告担当です。
細かい部分なら後からレタッチ修正できるとしても、現場で撮り終わってしまったらその素材の中から使うカットをセレクトしなくてはいけないので、気になる箇所があったらその場で撮り直しやアングル調整を判断します。

また、撮影当日は何も問題が起こらないように事前調整するのが広告担当の本領、腕の見せ所ではありますが、何かしらトラブルが起きてしまうこともしばしば。
その際は、適切に対応して切り抜ける力も必要です。


■リクルートの課題

このように広告に関連する業務を一気通貫で行なうため、求められるスキルも複数あります。他の芸能事務所では広告関連業務を行なう会社を分けて設立しているケースもあるくらい専門性や経験が重視されます。

新入社員の採用ミスマッチ

芸能事務所を志望する新入社員は基本的に現場マネージャー業務や表現活動のサポートなどをしたくて入社してきてくれる方が多いので、広告キャスティング業務だとモチベーションギャップが生まれます。

中途採用市場の困難

広告キャスティング業務に適性がある(もしくは即戦力)の中途採用候補者のパターンとして、広告代理店・キャスティング会社・他社芸能事務所の広告担当が考えられます。
考えられますが、、
広告代理店:年収ギャップで採用が困難※
キャスティング会社:母数が少ない
他社芸能事務所:広告担当は重宝されるので事務所が離さない
のような理由で中途採用候補者が転職市場にそもそもいない問題が。

※【芸能マネージャーの平均年収・ボーナス事情|比較シミュレーションで比べてみよう】より引用


WE WANT YOU!

ブワーと書きなぐりましたが、みなさんが普段目にしている広告の裏には必ずこのような仕事がありますし、個人的には楽しい仕事です。

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