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障害者採用について思うこと

この記事は個人的見解です。所属する企業や組織の見解とは異なります。

かんたんな自己紹介

・人生の4/5は晴眼者
・ロービジョン
・現在もエンジニア職

当事者に聞いてほしい

人事総務系の質問や相談をされたとき、私は常に「当事者にきいてください」と答えています。
ただ、それを言ったあとに二度目の相談を受けたことが一度もありません。
その理由を聞いたことはありませんが、もしかして「当事者に聞く」ということが、実はとてもハードルが高いことなのかも、と最近考え始めました。

当事者に聞かないとどうなる?

視覚障害と一言で言っても様々な見え方があり、全盲とロービジョンだけでも、何が見え(感じ)て何が見えないかは異なります。
もし私が「kotanoriさん見えないだろうからスクリーンリーダーソフトウェアを支給します」と言われたら、「私スクリーンリーダーは使わないです。その代わりに大きいモニタが欲しいです」と答えるでしょう。
車イスと使っている人、聞こえない/聞こえづらい人、障害の種類だけではわからないことがたくさんあります。

アクセシビリティも同じ

今では多くの企業がアクセシビリティ向上に取り組んでいます。
それ自体はとても喜ばしいことですが、画面を拡大して見ている私としては、まだまだ十分とは言えません。
スクリーンリーダーでの読み上げや操作はできても、少し拡大しただけで画面の外にボタンが出てしまって押せないような製品やサイトで溢れています。
当事者に聞く」「当事者がテストする」ことをしていれば、かんたんに防げるのではないかと思います。

公開後の補足:ここで「アクセシビリティ」と書きましたが、この記事で言ってることは「ユーザビリティ」のことですね。
ついでに言うと、私は近頃UXリサーチやインクルーシブデザインのことを勉強し始めました。がんばります!

不便さを知ってる自分、すごい!

例えば視覚障害に限って言えば、ずっと晴眼者として生活している人は、見えない、見えづらいことに気づけないだけじゃないかなと思ったりしています。
実際のところは、晴天の日に寝起きでカーテンを開けたとき、強い日差しの下でスマートフォンを見るとき、近視の人がメガネをお尻で踏んで壊したとき、トイレの電球が切れたとき...などなど、一時的に「見えない、見えづらい体験」はしているんですけどね。
そう考えると「どういうもの、どういう状況が見えない、見えづらいのかを知ってる自分、すごい!えらい!」と思ってもいいのかも!

もし「当事者に聞きづらい」と思っているなら

障害者に質問することに、「変なこと言ってしまうのでは」「傷つけるようなことを言ってしまうのでは」という気遣いから、聞きづらいと思っている方がいるならば、「自分より詳しい人に質問する」と考えてみてはどうでしょうか。
もちろん話したくない、うまく説明できない、という人もいるでしょうが、少なくとも私はいつも「どう話せばうまく伝わるかな?」と考えて、おもしろおかしく伝えるネタを溜めています(笑)
どんどん話しかけてください!

公開後の補足:「当事者」という言葉、自分で書いていても違和感がありました。Twitterで「ネイティブユーザー」と呼ぶ、というアイデアをいただいて、とても納得感があったので、今後は私も「ネイティブユーザー」を使っていきたいと思います。

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