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MOTアニュアル2023シナジー、創造と生成のあいだ | 東京都現代美術館

東京都現代美術館で会期中の「MOTアニュアル2023シナジー、創造と生成のあいだ」を鑑賞してきました。

MOTアニュアルは、現代社会に対する問いかけや議論の始まりを引き出すようなテーマとした、若手作家の作品を中心としたグループ展。

通常のアート展とは趣きが違って、エッジの効いた作品が多い。

荒井美波《太宰治『人間失格』》

特に印象深かったのが、会場の初めに展示されていた荒井美波さんの作品。この企画展のチラシ・ポスターなどのメインビジュアルに使われている作品。「手書きの文字なのかなか?」と思っていたら、なんと、針金で作られた文字だった。実際の作品は、文字部分・訂正部分などが多層的な感じになっていて、正面から見ると普通の原稿が、斜め横から見ると、文字等が浮き出ている感じに。見ていて飽きないものでした。

後藤映則《Crossing》

あと、後藤映則さんの作品も面白い。断面を積層的に並べたような物体に、光を当てているだけなんですが、人々が歩いたり、動き出したりする光景が、妙にリアルに浮き出てくる。言うならば、立体的なパラパラ漫画。これまで、3D表示は、いろいろな研究がされてきたけど、これは新しい投影方法になるかもしれない。

今は世の中的に、VRの仮想の中で立体的な世界を作り込んでいますが、実際のリアルな世界でも、まだまだ新たな立体表現があるのかもしれません。