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グリーン電力普及における課題 | 森を創る民のささやき

「森を創る民のささやき」ブログでの記事(2008年10月22日)とその追記記事です。

#65 グリーン電力普及における課題

2008年現在、
「グリーン電力」、
いわゆる自然エネルギーを使った電力の活用促進に、
政策的な取り組みがいくつか掲げられています。

先行して、「グリーン電力」を活用している企業や団体が増えてきていますが、それでも、まだまだ利用率は低いと考えます。

私ども、ツバルの森が、
いろいろな企業や団体とお会いさせていただいる肌感覚では、
まだ、「グリーン電力」の利用者となる企業や団体(実際には、「グリーン電力証書」と呼ばれるものをご購入頂く形となります。)では、
「グリーン電力」の認知および理解が広がっていない状況であると思います。

たとえば、
・環境価値 と 実際の電力 の違い
・「グリーン電力証書」の購入金のその後の行方
など、一般的な認知が進んでいない点が多いです。

また、「グリーン電力証書」の購入に関する費用の税務的扱いなど、
諸々の問題を抱えています。

それらが、利用率の向上を妨げる要因ではないか、と推測してます。

今後、急速に普及するかどうかは、
「グリーン電力」業界全体のこれからの課題と考えます。

森を創る民のささやき October 22 2008

上記事を書いた2008年当時は、太陽光や風力などの自然エネルギー由来の電気(グリーン電力)を利用する方法として、限られた手段の一つが「グリーン電力証書」でした。

「グリーン電力証書」という仕組みは、細かいことは省力しますが、簡単に言えば、グリーン電力を利用したい人が、グリーン電力で発電した人に寄付するような形で、グリーン電力を利用できる仕組みを実現したものです。

ある用途に必要な電力量分のグリーン電力証書を購入することで、その用途が「グリーン電力」がまかなわれていると言えるようになります。実際に使うのは、通常の電力ですが、グリーン電力証書の上乗せ分でグリーン電力を利用しているとみなす仕組みです。

「グリーン電力で放送しています」というラジオ局は、この仕組みを利用したものです。

一般財団法人日本品質保証機構が管理しているグリーン電力証書の最終保有者のリストを見ると、
2008年発行分:140,001,114kWh
2019年発行分:282,871,183kWh
と、約10年で2倍近く伸びたことになります。

今でこそ、電力自由化により、自然エネルギーを電源とする販売会社の電力を、一般生活者でも契約することができるようになり、「グリーン電力証書」のような迂回的な方法を使わなくとも済むようになりました。

また、REITのような投資信託の形で、太陽光発電施設の受益権所有者になることもできます。グリーン電力の参加形態は広がっています。

自然エネルギー財団の統計によれば、
太陽光・風力・バイオエネルギーなどの自然エネルギーによる発電量は、
2010年:1,091億kWh
2019年:1,853億kWh
と伸びており、
全発電量の約18%を自然エネルギーによるものとなっています。

今、2050年の脱炭素社会に向けて、電力の安定供給やコストなどの問題など解決しなければいけないことがありますが、この比率はさらに伸びていくことでしょう。

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