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上場企業のサイトランキング調査 | 森創る民のささやき

「森を創る民のささやき」ブログでの記事(2008年11月04日)とその追記記事です。

#76 上場企業のサイトランキング調査

日興コーディアル証券(現:SMBC日興証券)のIRコンサルティング会社、日興アイ・アールが毎年行っている、「全上場企業ホームページ充実度ランキング」というものがあります。

以前、私が上会社に在職中、
このランキング調査というのを企画提案し、
試しにやってみることになりました。

日本に上場しているほぼ全ての企業、約3,600社のコーポレートサイトを一つ一つ見ていき、評点をつけ、すべての企業を評点後、順位をつけるというものでした。

ランキングに注目が集まりますが、
どのような項目が全体のどのくらいの企業に導入されているのか、
という統計的側面も持っていました。

2003年に、第1回目の結果を発表した当時、
証券取引所等での公の場でのセミナーの講師や
新聞・雑誌等への寄稿などで発表させていただく機会をいただきました。

特にセミナーでは、200人程度入る会場も、すぐに予約申し込みでいっぱいになるなど、当時の各上場会社のIR担当者の関心の高さを表していたと思います。

この調査は、私が退職した後も
継続して毎年行っていただき、今回で6回目を迎えました。

従前、上場企業各社が
IRサイトを手探りで構築・運営している中、
その標準的な方針や指標を求めており、
この調査は、そのような点で支持をいただいたのかなと、
毎年の発表結果を見て、そのようなことを感慨深く思いました。

森を創る民のささやき November 4 2008

上記事から10年以上経った今でも、
同社の「全上場企業ホームページ充実度ランキング」は毎年継続されています。

たまたま訪れた企業のWebサイトで、
ランキング上位企業に贈られるロゴなどを見かけたりすると、
なかなか感慨深いものがあります。

今でこそ、企業側の情報発信方法は、企業のWebサイトだけでなく、
SNSや、このnoteようなオウンドメディアなども一般的ですが、
この「全上場企業ホームページ充実度ランキング」を始めた2000年初めの頃は、企業のWebサイトぐらいしかありませんでした。

しかも、Webサイトでの情報発信が広がっていた時期で、掲載している情報の質に、企業によって大きなバラツキがありました。
十分な量の情報を掲載し、更新も頻繁に行なっている企業がある一方で、
スカスカの情報量で、<お知らせ>含め年に1回ぐらいしか情報更新していないような企業もある、という具合です。

また、Webサイトの見せ方/構造も様々で、
シンプルなナビゲーションで、目的の情報に辿り着きやすい作りになっている企業もあれば、どこを見ていけばいいのかわかりにくい企業もありました。

「全上場企業ホームページ充実度ランキング」を始めたことで、
いい点としては
・上場している企業全体のサイト全体で掲載している情報量は増えていき、またキチンとした導線を用意されるようになった。
・企業IR担当者の実績は、客観的な数値化が難しいのですが、Webサイトのリニューアル前後でのランキング向上結果が、その実績に使える材料となった。
・コーポレートサイト、特にIRサイトの標準的な構造を世の中に提示できた。
と言った点が挙げられます。
悪い点としては、
・ランキングでの評点狙い的な感じで、調査項目になっている事項をただ対応するだけの企業が増えた。
ということがあります。

建築などのような地図に残るというほど、大きなものではありませんが、
「全上場企業ホームページ充実度ランキング」が、何かしら社会に残る仕事になったことは、始めてみてよかったことだと思います。

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2008年に設立したツバルの森時代のブログ「森を創る民のささやき」に、後日談を追加し再編集したマガジンです。この購読料の収益は、世の中の環…