見出し画像

ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで | 東京都現代美術館

この企画展のポスターは、椅子を全面的に出したイメージで、てっきり椅子デザイナーかなぁという、思い込みのまま、美術展を訪れると、ぜんぜん違いました。

ジャン・プルーヴェは、今で言う「プレハブ」を手掛けた人で、壁や柱をパーツ化して、工場で大量に生産し、建築現場では、それを組み立てるだけで、短期間で家などが出来上がる。第2次世界対戦で、荒れ地となったフランスでは、建築の復興需要があり、この方法が受け入れられた模様。

しかも、そのような工業的な大量生産をしつつ、その建物にデザイン性も確保しているので、日本のいわゆるプレハブ住宅とは違った品格が感じられる。

今でこそ、IKEAでは、デザイナーが製品のデザインだけでなく、製造工程や輸送方法、コストまで考えながら、商品を作っていて、それと同じようなことを、かなり昔にジャン・プルーヴェは取り組んでいる。

自らを「構築家」と呼び、建築家とデザイナーだけでなく、仕組みまで考えているところに、その独自性があるように感じました。