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誰もが表現者になれる? | 地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング | 森美術館

森美術館で、2022年6月末から始まった「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」の企画展を鑑賞。

オノ・ヨーコ「Grapefruit」

会場に入ってスグに、オノ・ヨーコの作品集「Grapefruit」。
ジョン・レノンの名曲「Imagine」の元になった作品で、
ディレクション的な内容が特徴的。

今回、「Grapefruit」の中から、いくつかの作品が掲示され、
入り口だけでなく、会場内のところどころにも掲示されている。
まるで、オノ・ヨーコのその作品にでてくるディレクションに応じて、
その作家さんが作品を作ったかのような感じ。

ヴォルフガング・ライプ「ヘーゼルナッツの花粉」

次に現れたのが、ヴォルフガング・ライプの作品群。
真ん中に、大きな黄色の粉の作品。
これは、ヘーゼルナッツの花粉を集めて、描いたもので、
これだけの大きさの作品を作るには、
ものすごい時間をかけて、花粉を集めていて、
それを思うと得も言われぬ感覚。

これ以外にも、ヴォルフガング・ライプの作品からは、ミルクを塗った作品・蜜蝋を塗った空間などが展示されていて、
この辺りには、不思議な甘い香りが満ちていた。

金崎将司「百万年」

それ以外で印象深かったのが、金崎将司さんの作品。
自分で、新聞紙や雑誌を固めたもの。
ぱっと見て、機械で圧縮したように見えたけど、
手作業でやったのかと思うと、何だかすごい。

金沢寿美「新聞紙のドローイング」

金沢寿美さんの作品も印象的。
黒い大きなカーテンのような感じで、
「なんだろう?」と説明等を見ると、この黒いカーテンの元は新聞紙。
自分が気になる文字等を残して、黒く塗りつぶしたもので作られている。
この塗りつぶす作業を、家事や子育てが一段落した夜の時間に行っているとか。その時間が、新聞紙の情報を通じて、自分と社会がつながる時間で、不要な部分を塗りつぶすことで、自分の中に、社会を消化しているような感じを受けた。

展示されている作品を見ていて、
アーティストでなくても、身近なをものを使って、自ら表現をしようと思えばできるんだよと言っているような感じを受けました。

それにしても、
森美術館で前回の開催されたChim↑Pom展と比べると、オーソドクスなアートで、何だか安心感があり、ホッとしたのは、私だけでしょうか?