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ふつうの総合大学で映像を学ぶ【立命館大学映像学部】

梅雨に入り、夏がだんだんと近づいてきた。
夏の暑さのピークを超える頃にはイギリスに飛ぶ。
その前に、自分の身辺整理をしようと、これまでの経験を書き綴ることにした。

今回はものづくり人生のスタート地点、大学の話からしていこうと思う。

自分が映像を学んだのは、ふつうの4年制の総合大学。
なぜ専門学校でもなく、藝大でもなく、総合大学を選んだかというと、将来はハリウッドで撮影監督をしたかったからだ。
その為には、専門的な英語力と撮影技術が必要だった。
交換留学制度がしっかりあり、将来海外の大学への編入も考えられる大学、また、授業の専門性が高く、実際に授業中に撮影を学べる大学を探した。

必然的に答えは一つに絞られた。

立命館大学映像学部だ。

学部はできたばかりだったが、英語教育も充実しており、配給会社の松竹とも提携しており、プロの先生方がたくさん在籍していることから、ここに決めた。(修学旅行で行った古都京都に住んでみたかったし)

無事合格し、受験を終え、大学に入学し、文字通り映像生活をスタートさせた。


立命の映像で特によかったなと思ったのは、以下の5つ(他にもたくさんあるが)

・下宿生活
・先輩同輩後輩
・施設&機材
・先生&授業
・他学部(教養&英語)



§
下宿生活

本気で映像を作るとなると、通常の生活リズムを刻むことはできない。
撮りたい時に撮って、編集したい時に編集して、話し合いたい時に話し合う。
時には監督がどうしても撮りたいラブホシーンをオールで撮影したり、朝日が撮りたいという監督の為に夜中に出発したり、撮影仲間と夜中に下道で4時間かけて奈良の山奥から帰ってきたり。
もちろんきつかった時もあったけど、とってもとっても楽しかった。
撮影帰りの車でチルなヒップホップを流しながら、「あのカメラワークはあーだこーだ」「ライティングはこっちの方がよかった」「同期がやらかした」など、たわいもない話をした場面が今でも脳裏に浮かんでくる。
実家だったら好きな時間に好きなことはできないし、こんなに撮影ばっかりの生活が送れたのは下宿生活の恩恵に違いない。


§先輩同輩後輩

一緒に撮影をしていると、「友達以上、他の何か」になる。
アシスタントをしていたら付いている人に呼吸を合わせなきゃいけないし、えげつない分刻みのスケジュールで撮影するには以心伝心が必要になる。そんなこんなで、周りとは友達なのか、家族なのか、よくわからない不思議な関係になる。
振り返ると、大学の同期が一番近い存在だし、学生生活を送れたのは間違いなく彼らのおかげである。
時間が経っても、久々感はないし、今も現場で死ぬ気で頑張ってる先輩同輩後輩のことを考えると、「絶対に自分も負けてられない」と強く感じる。


§施設/機材

上回生になると、大学のスタジオや機材はまあまあに感じた。
でも、未熟な自分達にとってはちょうどよかったかもしれない。
松竹にホリゾントのスタジオと和洋室のセットスタジオがあったし、オーソドックスな撮影、照明、音響機材もあった。
機材は大体古くて、壊したら反省文書かなきゃいけないけど、弁償にならないのは今考えると優しかったのかもしれない。
そのおかげで、大学では色々実験できたし、無茶なこともできた。
粉砕するバッテラー、煙が上がるHMI、迷子のショット、溶けるフィルター。
いつになっても、ザハのピンは無くしがち。


§先生/授業

映像学部には実写だけじゃなくて、CG、ゲーム、メディアアート、実験映像、映像理論、映像マネージメントなど幅広い分野の先生方が在籍していた。
実写映像の専門学校に比べたら進度はとっても遅いけど、広く学べたのはとてもよかった。
撮り方の技術だけじゃ中身がすっからかんになってしまうし、座学の授業を通して思考を深めることができた。
3回生のゼミ選びで、実写からCGに行く人もいるし、実写からマネージメントに行く人もいるし、卒業した同期達は現在いろいろな仕事をしている。
まだまだ半人前、いや四分の一人前ぐらいだが、脂がのり一人前になった時に、みんなと一緒に仕事できるのが待ち遠しくて仕方がない。


§他学部(教養&英語)

映像学部は総合大学の一学部なので、1,2回生のうちに教養科目を取得しなければならない。同キャンパスに国際関係学部があったおかげで、英語で行われる教養科目をとることができた。
他学部の人には「映像学部=レアキャラ」と言われ、その希少性からか皆興味を持ってくれて、仲良くすることができた。
今でも、海外中の友達とつながっているのはとても貴重である。
撮影で海外に行った際には、彼らと美味しいお酒を飲みながら、世界の裏の話を聴きたい。

結局、コロナの影響で1年間のハリウッドの交換留学はいけなかったけど、古都京都で素敵な仲間に囲まれながら、映像に夢中になれたことは間違いなくかけがえのない経験であり、
心の底から立命の映像でよかったなと思う。

この個人的な日記が、映像を学びたい迷える高校生のちょっとした参考になることを祈って、
VIVA!! 立命映像!!

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