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【落語編】転失気

こんにちはYouthです。
今回紹介する落語は、転失気です。
転失気とは、屁のことです。

あらすじ

ある寺の和尚が体調を崩したので、医者に診てもらったところ、どうもお腹が張っているようだが、転失気(てんしき)はありますかな?と聞かれた。

正直意味が分からない和尚。しかし負けず嫌いの和尚は知らないと言えない。『転失気はありませんな』と答えてしまう。


 
寺に帰った和尚は、珍念を呼びつけて『珍念よ、おまえは転失気を知っているな?』
「存じませんが、転失気とは何ですか?」
分からないなら近所の人に借りてきなさい。と珍念に転失気を借りてくるように命じたのです。

しかし、近所の人は知ったかぶりをして言う事がバラバラで珍念には転失気が分からない。そして珍念は和尚の薬を取りに医者を訪ねた際に転失気とは何かを尋ねた。

医者が言うには転失気とは、気を転め失うという言葉から転失気、つまり屁(おなら)の事だと教わった。

和尚は転失気を知らないと悟った珍念はあるいたずらを考える。薬を持ち寺へ帰ると和尚が転失気は分かったか?と聞いてきたので、珍念は転失気とは盃の事だそうですよ。と嘘をついた。

そうだ転失気とは盃の事だ。酒を吞む器と書いて呑酒器(てんしゅき)というのだ。よく覚えておきなさい。と和尚。


 
翌朝、医者を訪ねた和尚は、昨日は転失気がないと言ったんだが実はありました。ごらんにいれましょう。珍念や呑酒器を持っておいで。珍念は言われた通りに呑酒器を持っていくが笑いが止まらない。

呑酒器を見た医者が、これは盃ですな。わたくしどもは転失気は放屁の事を言いますが寺では盃の事をいうのですか?

ここで和尚は珍念に一杯食わされたと悟る。

「珍念、こんな事で人を騙して恥ずかしいと思わんのか?」

「屁でもありません」

所感

わからないことは、正直に質問することが肝心なことでしょう。


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