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書評 94 「暴走するアメリカ大学スポーツの経済学」

ここ数年、様々なスポーツで日本のジュニア選手がアメリカの大学にスカラシップ(奨学金)を得て、進学する事例が増加。大学チームと仲介するビジネスも拡大している。

本書はアメリカの大学経営におけるスポーツの位置づけを統計データや論文、調査レポートを引用しながら展開して行く。

アメリカのスポーツと言えばアメフト、バスケ、野球と思い浮かぶ人は多い。しかし、大学スポーツでは野球や他の2つと位置づけが異なる。それはプロとの棲み分けの仕方による。スポーツが大きな興行ビジネスとなっているにも関わらず、大きな収益を上げている大学はほとんど無い。一方、スポーツ奨学生と大学で奨学金を巡って裁判も起こる。テレビ放送権でどこが主導権を持つのかは終わらない課題。

NCAAがその中で既得権益団体となっていることがわかる。元々は安全でフェアな競技運営を目指して発足したのに。
米国の価値観を大学スポーツという切り口で読み取れる一冊。

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