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書評 56 「不透明な時代を見抜く『統計思考力』」

「ファクトフルネス」など、データを見て、事実を正確に認識してからの判断を推奨し、その方法を例示する書籍が流行っています。

この本はその様な本の元祖かもしれません。初版は2009年4月ですから、12年前。

実感できる様な身の回りに起こっている事象を取り上げて、まずは「データを探す、集める」方法を示す。それから、そのデータを「並べる、抽出する、加工する」ことでデータが含む意味の読み取り方を示す。最後にその読み取った意味を自分の意思・行動の決定に用いることを学ぶ。そんな3部構成がとても読みやすい。

そして、データをただ語るだけでは意味がない。本編最後の段落を引用します。

「おそらく、自分で考えることの最大の敵は、自分にはわかっているという過信です。一番難しいのは正気を保つことなのです。正気を保つために、データ分析ほど強力な薬は他にないでしょう」

正気、即ち正しく見て考える力を育てる一助になる一冊。

https://d21.co.jp/book/detail/978-4-88759-699-3

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