書評 229 「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」
ジョジョの作者としてあまりにも有名な荒木飛呂彦さん。いかにもホラー映画を見ていそうな感じがあるが、その想像を遥かに超え、マニア的にホラーものを観ている。
本書では、その遍歴に基づいて独自のホラー映画論を展開する。人はなぜ怖いものを観てしまうのか。そこから始まり、一般的なホラーのジャンルには入らない映画でも、人が恐怖を感じるものはホラー映画だというのが新しい観点で面白い。
「ゾンビ」「田舎に行ったら襲われた」「ビザール(殺人鬼)」「スティーブン・キング」「SF」「アニマル」「構築系」「不条理」「悪魔・怨霊」と9分野に分けて、著者が薦める名作を挙げている。なぜ、それが面白いかだけでなく、グロさや不快さの度合いがキツすぎるものはそれも示しているのは親切のようで、それでも観ることを薦めているのがなんとも。
ジョジョのシーンやキャラクターと結びついている作品も挙げられていて、ファンならば一読したい一冊。
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