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書評 202 「仕掛学」

他者にある行動をさせたい。そこで、相関する事象をデータから読み解いて導き出す。そんなことを著者は研究していたそうだ。その過程で、どう見ても相関が見出せないのに実際にある行動を導き出しているものが世の中にはある。その気づきから、調査研究を進め、そのまとめとして書き上げたのが本書とのこと。そして、これが学術研究の対象になり得るとして、名付けたのが「仕掛学」。なるほど。

その前振りからすると、実例集が期待される。実際、多数の事例が紹介されているのだが、それだけに留まらない。サンプル数としては限られるものの、分類から体系化まで試みている。なんとなく「そういうものは確かにあるよな」で終わりそうな読者に、「もしかしたら自分でも作れるかも」と思わせる構成が面白い。

薄い本で1〜2時間で読み終えられるほどの分量であるが、満足感あり。面白い講演を聞いた様なイメージ。

仕事のやり方にも一つヒントをくれる一冊。


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