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書評 169 「スタジアムの宙にしあわせの歌が響く街」

著者はJリーグ川崎フロンターレのプロモーションに長く携わる。サポーターを増やすため、地域の支持を得るためにどんなことをするか。その基本的な考え方は数多ある地域に根付いたスポーツクラブ作りの本とさほど変わらない。しかし、本書は著者が実際にやってきたイベント企画の中でも大きな仕掛けとなった事例を丁寧に書いているところが違う。

サッカーとなんの関係があるのかわからないが、結果的にファンが喜んでくれたイベント。ホームタウンと遠く離れた土地で、被災地支援の意図を持って新しいファンをも増やすイベント。そんな事例がかなりのページ数で語られている。当人の思いや周りの人物との関わりなどが濃密に描かれていて、スポーツビジネスの書というよりはイベントクリエイトのドキュメンタリー。

テクニックよりも、本気で動いていると運がやってくるという話が続いていて、幸運を引き寄せることって本当にあるのかもと思わせてくれる一冊。


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