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書評 21 「大恐慌のアメリカ」

1988年に刊行された本。手元には初版が残っています。著者の林敏彦さんは既に亡くなられましたが、私が学生時代に読んだミクロ経済学の教本を著された人。その一般向け新刊を書店で見つけ、購入したものです。古い本ではありますが、そこで書かれている米国は20世紀前半と更なる過去の時点であり、今読んでも変わらずに得られるものがあります。

20世紀に入り、大きく経済成長した米国。しかし、そこから未曾有の大不況が始まる。1929年10月24日の株式市場大暴落が始まりとされているが、著者はその兆候は10年前から見て取れると分析する。そして、不況から立ち直るために当時の米国が実施した政策。その判断の背景と実際の効果がどうであったかに言及されている。

新しくも古い問題、という言葉があります。景気は回復基調と言われながらも好況を感じられない。そこに国家的規模の問題も起こる今、過去の実例に学ぶことがあるかもしれません。

https://www.iwanami.co.jp/book/b267857.html

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