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書評 27 「サブリミナル・インパクト」

人は自ら考えて、決めて、行動している。誰もがそう思っている。例え、他人の指示に従った行動だとしても、従うという判断をしたのは自分だ、と。

ところが、意思が決める前に行動はスタートしていることがわかっている。それは何故なのか。どの様にして、脳はその様に動くのか。それを解説してくれます。個々人の経験の蓄積、遺伝的資質、本能。いくつかの因子があると。

さらに実際の社会で起こること、政治や人々の購買行動などでこの潜在的反応・行動で説明できるものを挙げての解説。

認知神経科学を専門とする著者ですが、哲学的でもある。人間の行動を理解するという面では経済学や社会学にもつながる。この一冊を読み、理解ができれば、一般教養いわゆるリベラルアーツを身につける上で、一つ視点を作ってくれる。

なお、学者の著書としては平易で読みやすい文体ですが、内容が濃いために300ページの新書にしてはかなりの読み応えがあります。


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