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書評 69 「女の子は本当にピンクが好きなのか」

この本は2つのテーマを持つ。ステレオタイプな男女差への認識の検証、そしてジェンダーフリー。

女の子はピンク、男の子は水色という昔からある様な認識は、実は歴史が浅いことをまずは示す。米国や西欧諸国のいまで言う男の子らしい服装は20世紀に入ってから広まったものだと。各国の文化・世俗的な背景が影響しており、流行によって「常識」が移り変わっていることが時系列でわかる。そして、その流行は商業的に作られたものもあると。

一方で常識など知りようもない女子の幼小児がピンクを好むと言う事実もあるが、同時に10才を超えてくると徐々にピンクを避ける傾向もまたあるらしい。

また、玩具の男児用と女児用の分別は、線引きが薄まってきていることも事例を挙げて説明される。職業の男女差への批判がそれを呼び、それが男女差を縮めている可能性も。

著者は専門家ではないが、多くの文献・論文・資料を読み込んでおり、楽しくも説得力のある一冊。

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309417134/

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