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書評 214 「会津藩」

現代書館のシリーズ藩物語の一冊。「ならぬことはならぬ」や京都守護職として幕末の京都で新撰組を使った藩主松平容保が知られている会津藩の歴史をコンパクトにまとめている。

江戸時代初期から初代藩主の指示を守り、徳川幕府親藩中の親藩たる立場を徹底していたことがわかる。財政的には余裕は無い中で苦しみながらも幕府の要請を受けた歴史。外様大名の力を削ぐためではなく、御三家にも委ねられないことを背負わされてきた親藩。京都守護職がその典型的な役割だったようだ。最後には紀州や尾張までが官軍に加わる。会津も官軍に恭順する姿勢を示すも受け容れられず、まさに見せしめとして攻め込まれる。

財政的に厳しい中でも藩士の教育、学識だけでなく武芸にも力を入れていたことが明治に入って活躍する人材輩出に繋がることもわかる。

江戸時代と言うと幕府がそのまま歴史の様にされるが、維新の諸藩だけでなく幕府親藩にも歴史があることを学べる一冊。


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