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書評 128 「自分を超える心とからだの使い方」

認知科学を専門とする下條信輔さんと「人間を知りたい」と心理学や脳科学、哲学など幅広く学び続ける元陸上競技選手の為末大さんによる共著。二人の対談と対談形式で進む論考のリレーで構成されている。

スポーツでよく語られる「ゾーン」。競技中に自身の能力が100%もしくはそれ以上に発揮されること。為末さんもこれを体験しているが、そのゾーンとは科学的にみて如何なるもので、どの様にその状態に至るかについて語られる。

お二人がそれぞれの視点からわかっている事、解明されている事いない事などを出して進めていく。どうやら共通するのは「無意識」。そこから更に展開し、自発的意志・自由意志の有無についても語られる(下條さんの著書でよく出てくるテーマ)。

非常に難解な事柄をテーマとして展開されるのだが、平易な言葉で紐解く様に語られているので、難しいながらも理解の深度が高まるのがわかる。

自分の心の動きを知りたい人に薦める一冊。


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