書評 79 「社会を読む文法としての経済学」
経済学全般の入門書の様だが違う。ケインズ経済学に大きく偏った内容となっている。
「外部性」、「情報の非対称性」、「合成の誤謬」、「貨幣と財政の役割」など。新聞を読んだりする中で見たことはあっても、ちゃんと理解はしていない。そんな経済用語を様々な現実の事象を挙げて、説明する。
古典派経済学への批判があちらこちらに出てきます。現実乖離した前提条件の下で成立する経済理論との比較により、ケインズの理論を現実経済を理解する手法として提唱する。そこは理解できるけれども、古典派に存在価値が無い様な印象を与えてもいる。
著者のこの様な視点を「そんな見方もあるね」くらいにしておけば、読み物としては面白く、今後経済ニュースを読む時の助けになる。願わくは、文中に出てくる経済学用語(「財」とか「一般均衡」とか)の解説がついているとさらに一般向けとして良い。
経済学学習経験の無いビジネスマンが読んで、役に立つ一冊。
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