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書評 80 「インサイドボックス」

副題は「究極の創造的思考法」。創造性、画期的という言葉からはゼロから未知のものを生み出す事を思い浮かべる。しかし、本書はゼロから生み出さずとも1から別の1を生み出せれば良いと言う。

未知のものではなく既に有るもの、それも自分の目の前に有るものの中に答はあるそうだ。その方法を事例を挙げながら解説してくれる。抽象的な啓蒙書ではなく、かなりの実用書。

著者(コロンビア大ビジネススクール教授とコンサルタントの2名共著)は5つの方法を挙げている(読み進むとわかるが応用編も含めると6つ)。既存のものの見方や使い方によって別の面を見出すのだが、その視点の持ち方が5つ。切ったり貼ったり、くっ付けたり。新しいものに頼らず、今あるもので課題解決をする発想が鍵。示されている方法自体は簡単なのだが、そこに気づく難しさに挑むための思考法が本書の柱。

邦訳の文体も読み易く、直訳文体の逆でこなれている。一気に読める一冊。

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163900643

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