コンサルタントの価値とはなにか

こんにちは。Kotaです。
本日はコンサルタントの価値について、述べたいと思います。

コンサルタントは高いのか?

私が属している会社のプロジェクト売上計算は、
コンサルタント単価 × 工数 
という計算式で計算されます。
この単価というのが厄介でして、もちろんコンサルのレベルによっても変わるのですが、案件種別やフェーズによっても変わるのです。
単価は低くても100万くらいで、高いと500万を超えます。

では、提供しているものはなにかといえば「人」です。
クライアントの従業員と同じ人間を提供しています。
その従業員の給料が30万とすると、社会保険料とか考慮すると人件費は90万程度です。つまり、コンサルタントを使うのは「かなり割高」なのです。

その「割高」は、何の価値があって、値段がついているのでしょうか。
入社当時、先輩が言っていたのは、以下のような内容でした。

クライアントの大多数は大企業。そして大企業には優秀な社員が多くいる。
そして、もちろんお金もある。よって、優秀な人もお金も十分にある。
では、なぜコンサルタントに仕事を依頼するのか。それは「時間」を買うためだ。
一時的に、大企業にいる人間よりも、ある特定の分野において「より優秀な人材」を確保することで、事業スピードを上げるのだ。
その「より優秀な人材」がコンサルタントであり、
顧客の時間を短縮することに我々の価値がある。

なるほど。価値は時間なのか。そうかも知れない…と当時は思っていました。
その後の考えの変化を下記に述べていきます。

コンサルタントに依存する会社

実は、コンサルタントを使い続けるような会社があります。
例えば、大規模ITシステム導入プロジェクトの場合、
5年以上コンサルタントを使う場合もあるのです。
さらに、システム導入後もコンサルタントを使うと、10年ほどコンサルタントと契約をし続けることになります。
これではコンサルタントは離れることができません
その中にいると、こんなことを思うようになります。
「あれ、プロジェクトって有機性なんじゃなかったけ?」
「コンサルタントって一時的なサポートじゃなかったっけ?」
「このクライアント、コンサルタントにこんなお金使ってよかったんだっけ…?」

コンサルタントの価値は事業フェーズによって異なる

少し話を変えます。
事業にはいくつかフェーズがあります。有名なフレームワークにプロダクトラウフサイクルがあります。

プロダクト・ライフサイクルのイメージ図
https://sony-startup-acceleration-program.com/article453.html#header1

この「導入期」では、事業がそもそも潰れるかもしれませんので、
スピードももちろんですが、事業の基盤構築が重要です。
ここでのコンサルタントとしての価値は「潰れないための施策を提案すること」になります。事業スピードを上げる!とか、そういう概念ではなく、
「まずは生き延びるためになんとかする」ということに集中します。

「成長期」では、売上やシェアを拡大し、利益を伸ばすだけではなく、
マーケットにおけるブランドの確立をしていくことがより重要となります。
この時期におけるコンサルタントとしての価値は
「サービス価値向上の施策を提案すること」「マーケットシェア拡大」「サービス基盤構築」などが該当します。
具体的には、QCD(品質・コスト・デリバリーの頭文字をとったもの)で整理できます。
Qならば、サービスの品質向上(不良品削減など)や、そもそものサービス戦略を変えて、新たな価値や機能を提供することなどですし、
Cならば、プロセスを改善し、変動費や固定費を削減することかもしれませんし、
Dならば、プロセスを改善し、納品リードタイムを短縮することかもしれません。
※成長期に関しては、特に勉強不足感を否めません。勉強してまた更新すると思います。ご容赦ください。

「成熟期」では、成長は頭打ちの可能性が高いので、これまで提供しているサービスをなるべく自動化することが重要になります。
そして自動化し、不要となった人員を新規事業に割り当てることで、
企業は新たな発展を狙うことができます。
このときのコンサルタントの価値は「サービス提供および企業運営の自動化・負荷削減」です。
ビジネスプロセス、エンタープライズを可視化し、
無駄な仕事は廃止し、過剰品質なものは適正品質にし、
廃止できない仕事は、自動化するか、BPO(Business Process Outsourcing)します。

最後の「衰退期」におけるコンサルタントの価値は衰退していく中で、もしできるのであれば、「新たな価値創出」です。
衰退していくことを止め、新たな成長期に突入させることが価値となります。

上記のことを、全て「成長支援」という名目で、まるっと「スピードを支援しているんだ!」と言ってもいいかもしれませんが、少々乱暴な気がしています。

コンサルタントはどうやって価値を出すのか

クライアントができないことをコンサルタントがするから、価値があります。その価値の出し方は主に2つあります。
1.クライアントが解決できない問題を解決する
2.クライアントが問題を解決できる基盤を構築する(=内製化)

ずっと「コンサルタントしかできない」のであれば、それはコンサルタントを使い続けることになるため、クライアントにとっていい状態ではありません。
そのため、コンサルタントは問題解決を担いますが、
最終的にはクライアントの中でPDCAが適切に回り、コンサルタントがいなくてもプロジェクトテーマの問題に取り組める体制を作ることを目指します(これを内製化と呼びます)。
前述した、コンサルタントに依存するケースは、2の内製化がうまく言っていないケースが該当しますし、そもそも内製化を目指していないクライアントもいます。

コンサルタントは「必要悪」か

さて、また話は変わりますが、
「コンサルタントは必要悪なのではないか」とも思ったりします。
必要悪とは「よくないことではあるが、組織や社会などにとって、やむをえず必要とされること。」なので、ここでは、「会社の成長のためには、コンサルタントは必要なのだが、実は悪いこと」という意味になります。

例えば、内製化を目指さない企業にとってコンサルタントは必要ですが、
コンサルタントを使い続けると、相応のコストがかかります。
戦略系やマーケティングなど、売上に直結するようなコンサルタントならよいですが、業務改善やITなど、コスト改善にバリューを発揮しやすいコンサルタントの場合、改善したコストよりもコンサルタントフィーのほうが高いこともあります。これでは本当に良かったと言えるのでしょうか…

もっと言えば、業務改善系の場合、プロジェクト前後で効果測定をしない(できない)場合もあります。こうなると、もはやどの程度バリューを出したのか、本質的には全くわからないのです。

なぜ上記のようなことが起こってしまうのかは、また今度記載します。

最後に

コンサルタントの価値は高いのか、ということを考えてきました。
まだ、検討不足ですが、ここまで書いた感想は
「コンサルタントの価値は一定存在するが、内製化が失敗してしまい、
クライアントにとっては想定以上のコストになっている可能性がある」
ということです。
自身が担当する案件では、上記のようなことが起こらないように、注意を払っていきたいものです。

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