序章:再会と約束

たたらが幼馴染のかぐらと再会し、わだかまりを解く話。
 とある理由でかぐらに引け目を感じていたたたら。だが、トラブルが起こったりもするが共に怪魔《フィクサー》を倒す中で彼はかつて交わした大切な約束を思い出す。
 
 *
 
 フィクサーを倒すも、休みなしの無理が祟り倒れてしまったかぐら。そんな彼女を前に自身を責めるたたらだったが、目覚めた彼女にこう諭される。

 「たたらが優しい人だって、私は知ってるよ……出会った時から、ずっと」
 
 彼が根っからのお人好しであることも、鈍感だが人一倍繊細なことも、優しいことも……その優しさ故に、姿を消してしまったことも。言われずとも気づいていた。けれど、だからこそ彼女は彼との明日を望む。
 当時の二人にとって、何かを分け合える相手は互いだけだった。だから、呪いを分け合ったあの日、約束をした。二人を引き裂いたのも、再び巡りあわせたのも呪いなら、離れても意味はない。「ただそばにいたい」はじめから、それだけでよかったのだ。

 「この呪いを解いて、必ず君を救ってみせる。だから……それまで、一緒にいよう」
 
 ありがとう。出会えて良かった。
 その言葉と共に、彼は再び約束をした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?