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ドライフラワー

誕生日
 通勤途中道路脇に咲き誇るコスモスを見ていつも思う。
昔はワインレッドのようなバーガンディのような...、濃いピンク色でベルベッドを感じる色のコスモスが私には特別惹かれるものがあった。

 デートらしいデートもしなかった私達だったが、唯一「連れて行って」とおねだりして「俺、興味ねぇし」と言う彼にワガママを通して連れて行ってもらったものコスモスが咲き乱れる植物園だった。
そんな事もあって、好きな花ではあるが〈この色が一番好き〉という熱い思いは無くなってしまっている。---ここまで書いて、そもそも〈熱い思い〉というものを持ち合わせなくなったと気がついた。

そして、さっきコスモスを見ながら思った。
私達ってドライフラワーみたいだな。って…
私達というのは、Twitter(X)で死別してから作ったアカウントで繋がってくれているみんな。

 誰にも負けない世界一幸せな毎日を経験していて、その満たされた想いを大切に記憶に留めながら今の毎日を〈記憶の花びら〉を落とさないように耐えながら過ごしている。


誕生日の朝

 目覚まし時計を止めた後、私を包むお布団の温もりに負けた私の脳内に
Michael Jacksonの Earth Songのサビが鳴り響いた。
あああ~あ♪あああ~あ♪ 
ご丁寧に、私の少し苦手なドラムのスティックを止める、フィル コリンズの風のバシンバシン言うドラム音まで入っている。
最高の目覚まし効果だった。

 お陰で遅刻せずに間に合ったよ。夢には一切出てこないけど、この大音量の起こし方は君だね。あんがとね。

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