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自分の好きなもの

本当に好きだった?

 パンやお菓子を作ったり、ネットで新しいレシピを探したり何かを作るのが好きだった。
 何かを始める前に〈まず音楽をかける〉彼に影響されて私の好きな音楽の幅もますます広がった。

 今になってみると、それがどう好きだったのかわからなくなっている。
彼が美味しいと喜んでくれるから料理が好きだっただけかも。
幸せそうに音楽を聴いている彼を見るのが好きだったのかも。

種まきが大好きだった。きれいな花も美味しい実りも。でもそんな小さな命さえ、尽きる日までのお世話だと思うと始めるのが怖い。
好きだったのか好きなままでいるのかすらあやふや。

ただ、「美味しいね」の一言が楽しさを倍増してくれていたのは確かだろう。少なくても何をしても楽しさが半減してしまってる感は否めない。

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