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私のインカンテーションと真壁俊っ


ポジティブと、ネガティブで言うと、
私の性格はどちらかというとポジティブな方だと思う。
ポジティブというか、
脳天気と言う言葉のほうがしっくりくるかもしれない。

もちろん落ち込んだりネガティブな気持ちになるときもある。
クヨクヨするときもある。
メソメソするときもある。
心が、どんよりして気持ちが悪い。
何もかも嫌になっちゃう。
人間だからいろんな気持ちを経験するのは良いと思う。
でもやっぱり、ちょっとでも早く、このどんよりモヤモヤした気分から解放されたい。
誰だってきっとそうだと思うけれど、嫌なことばかりに気持ちを長期滞在させたくない。

ある日、娘から借りた本を読んでいて
「インカンテーション」という言葉に出会った。
インカンテーションとは直訳だと、
呪文、魔法、まじない。と言う意味を持つらしい。
コーチング等で使うインカンテーションは
自分に向けてポジティブな言葉と一緒にポーズをとること、と書いてある。
例えば会社を経営したいと思っている人が、なりたい自分を想像して「社長になって会社を経営してる!」と声に出しながらガッツポーズする、みたいな感じ。(詳しくは知らないので気になる方は調べていただきたい)
私の好きなポーズは、映画『ザ・フラッシュ』の主人公が走り出す時のポーズで、ご機嫌で体調が良いとき、このポーズをしていた。そうすると家族が笑うので、私も嬉しくなり、何度もポーズをしていたら体が痛くなった。
あれからフラッシュのポーズはしていない。
そういえば今まで、ポジティブでやる気が出る言葉については考えたことはなかった。
「嬉しい!」とか「やったー!」とか、そのとき感じた心の声を垂れ流して生きてきたように思う。
何か困ったことがあっても「大丈夫」と言う言葉はよく使っていたけれど、落ち込んだ時に瞬時に、なんか気持ちが上がる言葉があるといいよなぁっと思っていた。

そんな風に思っていたとき、お気に入りのラーメン屋さんが潰れていたことを知り、ショックを受けた。
ずっと食べていなかったあのラーメン屋さんのチャーシューが食べたい……。2年くらい前から心にひっそり思って過ごしていた。
自由気まま好き勝手に外出して生きていた頃と比べ、自分一人で外出できない体になった今、たまに家族と外出することが、ご褒美の時間になっている。今は病状にもずいぶんと慣れ、外出も数年前よりは出来るようになった。
そして、ようやく今年そのラーメン屋さんに行くことができた、のに!
お店は潰れていて、他のラーメン屋さんになっていたのだ。
何ですとーー!!
もう、あの大きなチャーシューが食べられないのか!っと落ち込んだ時、
思わず「しゅん」っと声に出して言っていた。
そうしたら家族が
「しゅんって声に出す人はじめて見た!」と驚いていたので

真壁俊まかべしゅんっ!」


と、言い換えて大声で言ってみた。
その瞬間、家族が大笑いしたのだ。
「真壁俊って、ときめきトゥナイトじゃん!」
夫と娘の突っ込みに、しゅんっと落ち込んでいた気分が、ほわわっと浄化され私も笑顔になった。
そして声高らかに
「私、これから落ち込んだり嫌なことがあったら真壁俊って言うから!」
と、家族に宣言したのでした。

「小栗旬じゃ駄目なの?」
夫が聞いてきたので、
「小栗旬さんは元気なイメージがあるから(←勝手なイメージ)、しゅんってね、一度凹むことも大事だから。小栗旬さんだと、凹む気持ちにならないのよ」
そう説明して、家族みんなで‘真壁俊’について語り合うことにした。
真壁俊とは池野恋先生の「ときめきトゥナイト」という少女漫画にでてくるヒーロー的なキャラクターである。
主人公の江藤蘭世が恋する男の子だ。
どこか憂いがあり、それでいて男らしいキャラクターで、私が子供の頃に人気だった。(大人になった今も、ときめきトゥナイトの続編が出て、真壁君ファンの友達を喜ばしている。スゴい!)
我が家には漫画があり娘も読んでいたから、真壁君のことは知っている。
夫もリアルタイムで妹さんが買っていた少女まんが雑誌「りぼん」を読み、真壁君を知っていた。
なんとなく、真壁君は、「しゅん」ってしている。
しゅんていうか、落ち着いているイメージ。
そして、しゅんとしても立ち上がるパワーを感じるよね。
さすが漫画のヒロインが好きになるだけのことはあるよ。と家族で熱く討論したった結果、我が家ではちょっと落ち込むことがあったら、
横山家の規則第二十七条として
「真壁しゅんっ」
って言うことになったのだ。

うわー!!行きたいライブのチケットが取れなかった! by娘

「まかべしゅんっ!」


娘が描いた真壁俊さん。


今日、日替わりで安くなっていた
トイレットペーパーが売り切れだった。 by夫

「まかべしゅんっ……」


夫が描いた真壁俊様。



今日もめっちゃ体痛すぎるー!!by私

「真壁しゅんっ!!!」

私が描いた真壁俊君。


チョコボールの箱に
銀のエンゼルついていなかった。
真壁しゅんっ。
暑くて夜中に起きちゃった。
真壁しゅんっ。
お味噌汁腐ってた!
真壁しゅんっ。
夜遅くにケーキ食べちゃった。
真壁しゅんっ。
このように、「真壁俊」を家族で乱用している毎日なのです。
余談ですが、こんなに「真壁しゅんっ」を使用しているのに、私は真壁君より、優しくて朗らかな鈴世君が好きなのである。

ポジティブな言葉とは違うし、正式なインカンテーションの使い方とは全然違うけれど、落ち込んだ気持ちが、あっという間に消えていく「真壁しゅん」は私のお気に入りのインカンテーションだ。
ネガティブがよくない!とも思っていなくて、ほどほどにネガティブを楽しみたい。
ポジティブすぎる!ネガティブすぎる!みたいに片方によりすぎるのはバランスが悪いと思っている。
だからネガティブをより楽しみたい。
そのためにも私は落ち込んだ時は「真壁俊」と言いたい。声に出して言うことで、凹んだ気持ちが緩和されるから多分この先も、忘れなければ言い続けると思う。
フォーエバー真壁俊。


もう一つのお気に入りインカンテーション的な言葉がある。
それは万事ばんじえきとなる」と言う言葉。
何か思うように行かなかったとき、例えば行く予定のイベントが急遽中止になったとか、自分が予定していたことがスムーズにいかなかったときとかに
「万事が益となる!」と言ってやり過ごしている。

この言葉は娘と一緒に観ていた海外ドラマ「MANIFESTマニフェスト」に頻繁に出てきた言葉で、主人公達がハプニングや、行動に迷いが出たときに「万事が益となる」と聞こえたり言っていて、とにかく耳に残っていた。気がつくと娘と二人で真似をし「万事が益となるよ」と、日常生活に取り入れてすぎて、ドラマを観ていない夫が「何それ?」と質問をしてくるほどだった。

ドラマを見終わり、このドラマのストーリーって聖書をうまく取り入れて作られていたんだ!と知りまたもや感動した。(気づくのが遅い)
最終話を観るのをワクワクし、見終えた後「とにかくすごく面白かったよ!」と声に出した記憶がある。
見終わった後数ヶ月たった今も、「面白かったよね。ラストもよかった!」と娘と言い合っちゃうくらいに、私と娘には好みのドラマだった。
「万事が益となる」は旧約聖書に書かれている言葉のようですが、
自分の心に不安だったり、寂しくなったときに、ドラマに出てきたキャラクターが言うように声に出して使っている。
夫が目的地に行くのに道を迷ったときにも「万事が益となる」
娘が食べ過ぎたときも「万事が益となる」
私が熱が出て寝込んでいるときも「万事が益となる」
なにかトラブルが起きても「万事が益となる」
ちょっと使い方間違っているかもしれないけれど、でもなんだか言葉に出すことでいろんな気持ちがすっきりリセットされる。
言ったあと、笑っていることもいいのかもしれない。
笑うって最高の特効薬だと思っている。
なんて言うか、自分の気持ちを心地よくするのは、自分次第。
だから自分が使う言葉や行動には、そういったちょっと笑っちゃうとか、心がほわっとするものを取り入れていきたいと思う。
もしかしたら、今年の終わりには違うインカンテーション風の言葉が、我が家で流行っているかもしれないよなぁ。
そんな風に想像するのも楽しい時間なのだ。

今日も、これからも、
いろいろあると思うけれど、
「真壁しゅんっ!」てなったり、
「万事が益となる」とつぶやいたりして
自分の機嫌と寄り添いながら過ごしていきたい。




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