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「にゃくいちさん」#創作大賞感想文

私は怖い物語が大好きだし、
ホラー小説も多く読んできたほうだと思う。
自分は何が怖いのだろう?と
怖い作品を通じて
自分自身を知りたかったのかもしれない。


中島亮さん
心の動きや
小説を書くことに対して
いつも丁寧に向き合っている。
その姿に毎回刺激をいただき
私も見習いたい!と元気をいただいています。
亮さんの発する言葉も
深みがあり、
私はいつも心に潤いを感じるのです。

亮さんの作品、
「にゃくいちさん」を読みました。

自己喪失の恐怖
 思い出したくない過去を、共有している李亜と明妃。二人は故郷である二本木を離れ、古都、嘉久でルームシェアをし、平穏を保ちながらも、どこか不安な影を感じていた。
 そんな彼女達の元に、二人が育った施設の関係者、久慈が訪れる。彼は、李亜に対して「そろそろ二本木にお戻りになる頃かと思いましてね」と船のチケットが入った封筒を手渡した。その日を境に、「にゃくいちさん」という不思議な言葉が李亜の耳にこびりつき、彼女の現実が崩壊していく。
 逃れることのできない定めに翻弄され、戸惑う暇も与えられない李亜。彼女の背景には、人間の世界とは違う、慣習や倫理観が支配する社会があったのだ。

「にゃくいちさん」あらすじを
引用させていただきました


とにかく、不穏な雰囲気が
ずっとつきまとってくる。
続きはどうなるの? と思いながら
大切に読みたいので、読む手を止めて
目を閉じる。
亮さんの小説からは
質感というか、匂いや温度を感じ、
まるで本の中に入り込み実際に過ごしている気分になってしまう。
亮さんは書く技量があるので
派手でギョッとした描写を出さなくても
怖さを伝えられるのだ。
読んでいて、何回も、ゾワッとなった。
人はわからないもの、理解出来ないものに
本能的に恐怖を感じると聞いたことがある。
読後の、
あの感覚をなんて言えばいいのか
いまだに上手く言葉にできないままでいる。読んだ後、
しばらく物語の中から抜け出すことができずにいた。
いや~凄い!!
読むことができて、本当によかった。

亮さん、書いてくださって
本当にありがとうございます!!
これからもいろんな作品を楽しみにしています。



怖いのはちょっと……と言う方も
是非、じっくりと読んでいただきたい
作品です!!




最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

心から感謝の気持ちを込めて。

横山小寿々

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