2020(令和2)年 改正個人情報保護法 入門 「第四章 第四節 監督」、「第七章 罰則」編(随時更新)

2020年6月14日開始
2020年9月17日更新
2020年12月14日更新

2020(令和2)年 改正個人情報保護法「第四章 個人情報取扱事業者の義務等 第四節 監督」「第七章 罰則」について、備忘のために、気付いた点を以下に記載していく。

■「第四章 個人情報取扱事業者の義務等 第四節 監督」の条文

「第四章 個人情報取扱事業者の義務等 第四節 監督」は、40条から46条までの7つの条文。

【改正前】
第四章 個人情報取扱事業者の義務等 第三節 監督

【改正後】
第四章 個人情報取扱事業者の義務等 第四節 監督


今まで「監督」は、第三節だったが、第二節に「第二節 仮名加工情報取扱事業者等の義務」が新たに新設されたため、第四節になった。

▼(報告及び立入検査)第四十条

【改正後】
(報告及び立入検査)
第四十条
個人情報保護委員会は、前三節及びこの節の規定の施行に必要な限度において、個人情報取扱事業者、個人関連情報取扱事業者、 仮名加工情報取扱事業者又は匿名加工情報取扱事業者(以下「個人情報取扱事業者等」という。)その他の関係者に対し、個人情報、個人関連情報、仮名加工情報又は匿名加工情報(以下「個人情報等」という。)の取扱いに関し、必要な報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、当該個人情報取扱事業者等その他の関係者の事務所その他必要な場所に立ち入らせ、個人情報等の取扱いに関し質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2・3 (略)


「前三節」とは、「第一節 個人情報取扱事業者の義務」、「第二節 仮名加工情報取扱事業者等の義務」、「第三節 匿名加工情報取扱事業者等の義務」を指す。

▼(指導及び助言)四十一条 新旧対照表21ページ

【改正後】
(指導及び助言)
四十一条
個人情報保護委員会は、前三節の規定の施行に必要な限度において、個人情報取扱事業者等に対し、個人情報等の取扱いに関し必要な指導及び助言をすることができる。

▼(勧告及び命令) 第四十二条 新旧対照表21ページ

(勧告及び命令) 
第四十二条
個人情報保護委員会は、個人情報取扱事業者が第十六条から第十七条まで、第十八条(第一項、第三項及び第四項の規定を第三十五条の二第四項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、第二十条から第二十二条の二まで、第二十三条(第四項を除き、第五項及び第六項の規定を第三十五条の二第六項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、第二十四条、第二十五条(第一項ただし書の規定を第三十五条の二第六項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、第二十六条(第二項を除き、第一項ただし書の規定を第三十五条の二第六項の規定により読み替えて適用する場合を含む。) 、第二十七条、第二十八条(第一項(第五項において準用する場合を 含む。)を除く。)、第二十九条第二項若しくは第三項、第三十条( 第一項、第三項及び第五項を除く。)、第三十三条第二項、第三十五 条の二(第四項及び第五項を除く。)若しくは第三十六条(第六項を 除く。)の規定に違反した場合、個人関連情報取扱事業者が第二十六 条の二第一項若しくは同条第二項において読み替えて準用する第二十 四条第三項若しくは第二十六条の二第三項において読み替えて準用す る第二十六条第三項若しくは第四項の規定に違反した場合、仮名加工 情報取扱事業者が第三十五条の三第一項若しくは同条第二項において 読み替えて準用する第二十三条第五項若しくは第六項若しくは第三十 五条の三第三項において読み替えて準用する第二十条から第二十二条 まで若しくは第三十五条の二第七項若しくは第八項の規定に違反した 場合又は匿名加工情報取扱事業者が第三十七条若しくは第三十八条の 規定に違反した場合において個人の権利利益を保護するため必要があ ると認めるときは、当該個人情報取扱事業者等に対し、当該違反行為 の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべき旨を勧告す ることができる。

2 (略)
3 個人情報保護委員会は、前二項の規定にかかわらず、個人情報取扱
事業者が第十六条から第十七条まで、第二十条から第二十二条の二ま で、第二十三条第一項、第二十四条第一項若しくは第三項、第三十五 条の二第一項から第三項まで若しくは第六項から第八項まで若しくは 第三十六条第一項、第二項若しくは第五項の規定に違反した場合、個人関連情報取扱事業者が第二十六条の二第一項若しくは同条第二項において読み替えて準用する第二十四条第三項の規定に違反した場合、 仮名加工情報取扱事業者が第三十五条の三第一項若しくは同条第三項 において読み替えて準用する第二十条から第二十二条まで若しくは第 三十五条の二第七項若しくは第八項の規定に違反した場合又は匿名加 工情報取扱事業者が第三十八条の規定に違反した場合において個人の 重大な権利利益を害する事実があるため緊急に措置をとる必要がある と認めるときは、当該個人情報取扱事業者等に対し、当該違反行為の 中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずる ことができる。
4 個人情報保護委員会は、前二項の規定による命令をした場合におい て、その命令を受けた個人情報取扱事業者等がその命令に違反したと きは、その旨を公表することができる。


▼(個人情報保護委員会の権限の行使の制限)
第四十三条 (略)

▼(権限の委任)第四十四条 新旧対照表23ページ
(権限の委任)
第四十四条 個人情報保護委員会は、緊急かつ重点的に個人情報等の適
正な取扱いの確保を図る必要があることその他の政令で定める事情が あるため、個人情報取扱事業者等に対し、第四十二条第一項の規定に よる勧告又は同条第二項若しくは第三項の規定による命令を効果的に 行う上で必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、第二十二条の二第一項、第四十条第一項、第五十八条の三において読み 替えて準用する民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第九十九条、第 百一条、第百三条、第百五条、第百六条、第百八条及び第百九条、第 五十八条の四並びに第五十八条の五の規定による権限を事業所管大臣 に委任することができる。
2~9 (略)

▼(事業所管大臣の請求)第四十五条 新旧対照表24ページ

(事業所管大臣の請求)
第四十五条
事業所管大臣は、個人情報取扱事業者等に前三節の規定に
違反する行為があると認めるときその他個人情報取扱事業者等による 個人情報等の適正な取扱いを確保するために必要があると認めるとき は、個人情報保護委員会に対し、この法律の規定に従い適当な措置を とるべきことを求めることができる。

▼(事業所管大臣) 第四十六条 新旧対照表24ページ

(事業所管大臣) 
第四十六条 (略)

■5.ペナルティの在り方

「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律(概要)」より。以下はPDFへのリンク。

▼委員会による命令違反・委員会に対する虚偽報告等の法定刑を引き上げる。
命令違反:6月以下の懲役又は30万円以下の罰金
→ 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金 *83条参照

虚偽報告等:30万円以下の罰金
→ 50万円以下の罰金 *85条参照

▼データベース等不正提供罪、委員会による命令違反の罰金について、法人と個人の資力格差等を勘案して、法人に対しては行為者よりも罰金刑の最高額を引き上げる(法人重科)。

個人と同額の罰金(50万円又は30万円以下の罰金)
→ 1億円以下の罰金 *87条1号参照(2020年12月12日から適用)

■「第七章 罰則」の条文

以下は令和2年6月12日個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律」の公布について」の新旧対照表のPDFファイルへのリンク。

上記新旧対照表の「第七章 罰則」部分を若干整えたものが以下だ。「第七章 罰則」は、82条から始まる。

▼第八十二条→改正なし

▼第八十三条 →新設
【改正前】
(新設)

【改正後】
第八十三条
第四十二条第二項又は第三項の規定による命令に違反した場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

・42条(勧告及び命令)2項→改正点なし。

・42条(勧告及び命令)3項→改正点あり。

▼第八十五条
【改正後】
第八十五条
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。
第四十条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは 検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第五十六条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき 。

・40条(報告及び立入検査)1項→改正点あり。

・56条→改正点なし。

▼第八十六条
【改正後】

第八十六条
第八十二条及び第八十四条の規定は、日本国外においてこれらの条の罪を犯した者にも適用する。

・82条→改正点なし。

・84条→改正点あり。条文番号が83条から84条に変更。

▼第八十七条
【改正後】

第八十七条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、次の各号に掲げる違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号 に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
第八十三条及び第八十四条 一億円以下の罰金刑
第八十五条 同条の罰金刑
2 (略)

・83条→改正点あり。

・84条→改正点あり。条文番号が83条から84条に変更。

・85条→改正点あり。

▼第八十八条
【改正後】
第八十八条
次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。
第二十六条第二項(第二十六条の二第三項において準用する場合を含む。)又は第五十五条の規定に違反した者
二 (略)

・26条2項→改正点なし。

・26条の2(個人関連情報の第三者提供の制限等)第3項
→新設。3項だけではなく、26条の2そのものが新設。

・55条→改正点なし。

以上


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