2020(令和2)年 改正個人情報保護法 入門 「附帯決議」編

2020年6月7日開始
2020年6月16日更新

関連記事>>>2020(令和2)年 改正個人情報保護法 入門 「施行までの経緯」編(2019年11月4日開始)

【衆議院】第201回国会 閣法第48号 附帯決議(令和2年5月27日衆議院内閣委員会)

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_rchome.nsf/html/rchome/Futai/naikakuC3D9856DB0C400B0492585750032E907.htm


   個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 高度情報通信社会の進展に伴い集積される個人情報の利活用に際し、個人の権利利益の保護を図りながら個人情報の利活用を行うことが、より良い社会環境の発展のために一層重要な課題になっていることを踏まえ、政府は、本法の施行に当たり、特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一 個人情報に関する定義等を政令等で定めるに当たっては、国民に分かりやすいものとなるよう、消費者や事業者等多様な主体から広く丁寧に意見を聴取し、保護対象を可能な限り明確化する等の措置を講ずること。

上記は、「個人情報に関する定義等」について。

二 匿名加工情報及び仮名加工情報の規定の趣旨が個人の権利利益の保護を図りながら個人情報の利活用を行うものであることに鑑み、個人情報取扱事業者が匿名加工情報及び仮名加工情報を作成する際に必要となる基準を個人情報保護委員会規則で定めるに当たっては、個人の権利利益の保護と個人情報の利活用との均衡について十分に配慮すること。

三 個人情報の漏えい等の報告及び本人への通知の義務化の対象を個人情報保護委員会規則で定めるに当たっては、国民及び個人情報取扱事業者に分かりやすいものとなるよう、消費者や事業者等多様な主体から広く丁寧に意見を聴取し、義務化の対象となる要件を可能な限り明確化するとともに、漏えい等事案の発生が認知されずに必要な措置が不十分になるような事態及び本人が被害・影響を被るような事態が生じないようにするために必要な措置を講ずるとともに、その運用状況や実態を踏まえ、更なる措置についても検討すること。

四 保有個人データの開示方法、第三者提供記録の本人開示、利用停止・消去権等の個人の権利の拡充に伴い、その目的と実効性を確保するため、消費者及び事業者等に分かりやすく、その趣旨等をガイドライン等で具体的に示すなど、必要な措置を講ずること。

五 個人関連情報の第三者提供の制限等については、その実効性を確保するために解釈基準を明確にするなど適切な運用が図られるようにするとともに、その運用状況を把握して適正な個人情報の保護と利活用について更なる検討を行うこと。

上記は、「個人関連情報」について。特に、「第三者提供の制限等」について。

六 情報通信技術の急速な進展に伴い個人情報の利活用が高度化していることにより、データの利活用による個人の権利利益に対する影響が多様化していることから、個人の権利利益の保護を図りながら個人情報の利活用を行うよう、個人情報保護委員会は、民間の実態を常に広く把握し、制度面を含めた検討を随時行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

【参議院】第201回国会 閣法第48号 附帯決議(令和2年6月4日参議院内閣委員会)

参考>>>参議院ホームページ 第201回国会 附帯決議一覧

高度情報通信社会の進展に伴い集積される個人情報の利活用に際し、個人の権利利益の保護を図りながら個人情報の利活用を行うことが、より良い社会環境の発展のために 一層重要な課題になっていることを踏まえ、政府は、本法の施行に当たり、特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一 個人情報に関する定義等を政令で定めるに当たっては、国民に分かりやすいものとなるよう、消費者や事業者等多様な主体から広く丁寧に意見を聴取し、保護対象を可能 な限り明確化する等の措置を講ずること。


二 匿名加工情報及び仮名加工情報の規定の趣旨が個人の権利利益の保護を図りながら個人情報の利活用を行うものであることに鑑み、個人情報取扱事業者が匿名加工情報及 び仮名加工情報を作成する際に必要となる基準を個人情報保護委員会規則で定めるに当たっては、個人の権利利益の保護と個人情報の利活用との均衡について十分に配慮す ること。

三 個人情報の不適正な利用の禁止に関しては、個人の権利利益を保護しつつ個人情報の適切な利活用を促すため、ガイドライン等において、「違法又は不当な行為を助長し、 又は誘発するおそれがある方法」の具体的な事例を挙げるなど、可能な限り明確化を図ること。

四 個人情報の漏えい等の報告及び本人への通知の義務化の対象を個人情報保護委員会規則で定めるに当たっては、国民及び個人情報取扱事業者に分かりやすいものとなるよ う、消費者や事業者等多様な主体から広く丁寧に意見を聴取し、義務化の対象となる要件を可能な限り明確化すること。また、漏えい等事案の発生が認知されずに必要な措 置が不十分になるような事態及び本人が被害・影響を受けるような事態が生じないようにするために必要な措置を講ずるとともに、その運用状況や実態を踏まえ、更なる措 置についても検討すること。

五 保有個人データの開示方法、第三者提供記録の本人開示、利用停止・消去権等の個人の権利の拡充に伴い、その目的と実効性を確保するため、消費者及び事業者等に分か りやすく、その趣旨や利用停止等の請求が可能となる「本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある」場合及び事業者が請求に応じないことが例外的に許容される場 合の事例等をガイドライン等で具体的に示すなど、必要な措置を講ずること。

六 個人関連情報の第三者提供の制限等については、その実効性を確保するために解釈基準を明確にするなど適切な運用が図られるようにするとともに、その運用状況を把握 して適正 な個人情報の保護と利活用について更なる検討を行うこと。

七 本法の域外適用の強化に当たっては、外国事業者に対して関係規定を確実に適用できるよう、外国執行当局との一層の協力体制の構築・維持に努めること。

八 違反行為に対する規制の実効性を十分に確保するため、課徴金制度の導入については、我が国他法令における立法事例や国際的な動向も踏まえつつ引き続き検討を行うこ と。

九 民間、行政機関等における個人情報保護に係る規定や地方公共団体の個人情報保護制度に係る国と地方の役割分担等について議論を進め、法律による一元化を含めた規律 の在り方について早急に検討すること。

十 情報通信技術の急速な進展に伴い個人情報の利活用が高度化していることにより、データの利活用による個人の権利利益に対する影響が多様化していることから、個人の 権利利益の保護を図りながら個人情報の利活用を行うよう、個人情報保護委員会は、民間の実態を常に広く把握し、制度面を含めた検討を随時行い、その結果に基づいて必 要な措置を講ずること。

十一 個人の権利利益の保護とデータの利活用とのバランスを考慮に入れつつ、情報通信技術の進展等を踏まえ、三年後を目途とする見直しまでに不断の情報収集と制度の改 善策の検討を行うこと。また、見直しに当たっては、EUにおけるGDPR(一般データ保護規則)など諸外国の事例を参考にすること。

十二 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための接触確認アプリ等のツールを導入する際には、諸外国における活用の実態と課題を踏まえ、個人に関する情報の収集 範囲や利用プロセスの透明性を確保するとともに、利用目的を明確にし、収集する情報は必要最小限のものとすること。
右決議する。

参考>>>第144回 個人情報保護委員会 令和2年6月15日(月)「個人情報の保護に関する法律等の一部を 改正する法律の成立を受けた 個人情報保護委員会の今後の取組(案)について」

以上


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?