マガジンのカバー画像

実話怪談の記事を集めました。

57
こつこつと更新している怖いお話を、実話怪談集としてまとめました。 基本的に一話完結であり、各話に繋がりもありません。一話目から順番に読んでもらっても構いませんし、気になった話だけ…
運営しているクリエイター

#怪談

実話怪談 #45 「視界の端」

 これは二十代半ばの女性、島崎さんの談である。  二時間ほど残業をした日のことだという。…

烏目浩輔
5か月前
20

実話怪談 #43 「忘れる」

 二十代後半の女性、広川さんの談である。  広川さんは総合病院に勤めて四年目、中堅クラス…

烏目浩輔
5か月前
26

実話怪談 #42 「廃墟」

 二十代前半の男性、須藤さんの談である。  須藤さんには同じ大学に通うIさん、Sさん、Y…

烏目浩輔
5か月前
19

実話怪談 #41 「あの音:後編」

 野池で釣りをしてから約二週間後のことだった。  Sさんはマンションの四階に、両親と姉に…

烏目浩輔
5か月前
23

実話怪談 #40 「あの音:前編」

 二十代後半の男性、津村さんの談である。  その日、津村さんは趣味のブラックバス釣りに出…

烏目浩輔
5か月前
26

実話怪談 #39 「九時二十一分の電話」

 これは二十代半ばの男性、原田さんの談である。  原田さんの実家は和歌山県にある。大学進…

烏目浩輔
5か月前
28

実話怪談 #38 「お供え」

 六十代後半の女性、村山さんの談である。  村山さんは雌のポメラニアンを飼っている。知人の飼っているポメラニアンが仔犬が産み、そのうちの一匹を去年に譲ってもらったのだ。  ポメラニアンをつれて散歩にいくのは朝と夕の二回。朝の散歩は午前四時三十分過ぎに家を出る。ずいぶん早い時間ではあるものの、同じように犬の散歩をさせている人はそこそこいる。    朝の散歩に出た村山さんは、いつもの児童公園に向かった。野球のグランドなども併設されている立派な児童公園だ。公園内をぐるりと一周する

実話怪談 #37 「後悔」

 二十代後半の男性、三井さんの談である。  三井さんは二週間に一回のペースで精神神経科の…

烏目浩輔
6か月前
18

実話怪談 #36 「事故物件:後編」

 Sさんと一緒にコンビニ弁当を食べて、テレビを観たり、無駄話で盛りあがっていると、そのう…

烏目浩輔
6か月前
16

実話怪談 #35 「事故物件:前編」

 これは二十代前半の男性、池内さんの談である。  大学に入学した当初の話だという。  池…

烏目浩輔
6か月前
19

実話怪談 #34 「空き地」

 これは二十代後半の男性、宮川さんの談である。  宮川さんは小学生のとき、家の近くに苦手…

烏目浩輔
6か月前
19

実話怪談 #33 「冷たい目」

 これは五十代前半の男性、立花さんの談である。  今から二十年以上も前の話だという。  …

烏目浩輔
6か月前
12

実話怪談 #32 「ドアの向こう」

 これは三十代前半の女性、川口さんの談である。  中学生のときの話だという。  川口さん…

烏目浩輔
6か月前
11

実話怪談 #31 「電話ボックス:後編」

 高山さんは嫌な予感がした。 「放っといたらあかんのちゃうか……」 「俺もそんな気がする……」  詳しく説明しろと言われると説明できないものの、電話ボックスの中で、なにか奇妙なことが起きている気がした。そして、Mさんがまずい状況に陥っていると、そんな直感めいたものもあった。  高山さんはその直感に従って、電話ボックスの折れ戸に駆け寄った。取っ手に指をかけて引っぱる。 「おい、M。大丈夫か?」  折れ戸を開けつつ声をかけた途端、Mさんが飛びだしてきた。Mさんは勢いあまって転