実話怪談 #31 「電話ボックス:後編」
高山さんは嫌な予感がした。
「放っといたらあかんのちゃうか……」
「俺もそんな気がする……」
詳しく説明しろと言われると説明できないものの、電話ボックスの中で、なにか奇妙なことが起きている気がした。そして、Mさんがまずい状況に陥っていると、そんな直感めいたものもあった。
高山さんはその直感に従って、電話ボックスの折れ戸に駆け寄った。取っ手に指をかけて引っぱる。
「おい、M。大丈夫か?」
折れ戸を開けつつ声をかけた途端、Mさんが飛びだしてきた。Mさんは勢いあまって転