居場所の話
先日、調布のクッキングハウスというところに出かけた。心の病気をした人たちが孤立して暮さないでいいように、食事作りで交流する場、とのことで、僕は友人知人と食事をしに行っただけなのだが、色々な世代の方が働いていて、色々なお客さんがいらしていて、それぞれが持つ「生きづらさ」みたいなのは窺い知れないけれど、とても良いところで、飯も美味かったし、近所にあれば良いなあなどと思った。
僕自身が統合失調症の急性期で22歳と38歳の二度、精神病院に入院している。療養を経て、社会への復帰を目指すわけだが、コロナ禍もあり、顕著に困ったな、というのが居場所のなさだった。世はリモートワーク全盛、宅配サービスも充実し、家にこもってたのはお前だけじゃないぞ、という指摘もあると思うのだけれど、それでもやっぱり組織への所属や決まった仕事がない状態で、「休みましょう」というのは、何だか放り出されている感じもあって、平たく言うと「居場所がなかった」。
そんなわけで、「居場所大事だなあ」と思って、いつもお世話になっておりますsoarが運営する「人の可能性が広がる居場所の作り方」という全5回のオンライン講座を受けてみることにした。
ここまで4人の方のお話を聞いて来たのであるが。。。
「居場所がなかった」と書いたが、全く居場所がなかったわけではなく、平日は家にいることが多かったが、週末はラグビーをしにグラウンドに行っていた。僕、今回のような講座を受けるまで、「グラウンドを居場所」と認識したことがなかったのだけど、当たり前の場所過ぎて。しかし、よくよく考えると、それこそが居場所だったんだなあ。
まあじゃあ、「統合失調症でドロップアウトしてしまった人の居場所としてのラグビーグラウンド」というプロジェクトの設計が成り立つか、って言うと、ちょっとエキセントリックな感じしますよね。ニッチというか。当事者経験大事とは言え、いかにせん汎用性がない感じがする。どちらかというと、「孤立を防ぎ、多世代多様な交流を促すための、クラブスポーツのためのコミュニティグラウンド」くらいの按配じゃないかなあという気がする。
僕、今、主に八王子不惑倶楽部ってところでラグビーやってるんだけれども。
ラグビースクールなどの子どもたちとの関わりもあるし、ブラインドラグビーのチームとの交流もあるし、グラウンドに芝刈りも自分たちでするし、週末40歳〜のシニアラガーマンがグラウンドに集まっていて、楽しいなあと思うんだけれども(普通の感想)、何か新しい居場所を作るというより、ここが八王子のラグビー好きな人の居場所として、広まっていったり、育っていったり、盛り上がっていくのが、まあ目指して行きたいところなのかなあ、という気がする。
人それぞれ、色々な困りごとを抱えているから、僕自身、統合失調症患者としての居場所が欲しかったわけじゃないし、好きなものを通じて、色々な人を包摂できる居場所があればいいんだろうと思うんだよなあ。グラウンドを使わせてもらい続けたり、仲間を増やしたり、色々な人がいる中でチームとしてまとまって、ラグビーを楽しむためには、課題もたくさんありそうですけどね。まあでも、人によるけど、スポーツは一つキーにはなり得ると思う。
栃木の森山花水木グラウンドというところへ遠征行った時に、お手製のクラブハウスで鮎の塩焼きとビールと部歌で歓待してもらったことがあるんだけど、すごい素敵だった。歴史あるクラブが時間をかけて作り上げて来たんだなあという感じがして、とても良かった。ああいうのは一つ理想のグラウンドだなあという感じがして、八王子でも将来そんなことができると良いなあと思うけども。
soarの講座は今日が最終日。僕も新しい居場所作りしよう!、とはなんなかった感じあるけど、4名の方々のそれぞれの居場所に関するお話は、少なからず僕の居場所観みたいなものに影響与えた気がするよなあ。