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【毒舌注意】老人ホームの入居手順!7つのステップを解説する

こんにちは!小菅(@kosugehideki)です。

今回の記事は上から目線の命令口調で書いてみました。いたってマジメな内容ですが、過去の記事とはテイストが大幅に異なりますのでご了承ください。

え?なぜそんな書き方をするかって?
楽しそうだからです。では早速いきましょー!


「親が退院したら介護が必要で、もう一人暮らしは難しいかもしれない」
「認知症が進行して親に身の危険がある。安心できる環境に住み替えたい」

こうしたきっかけで家族の老人ホーム探しが始まる。
だが老人ホームを探すのも選ぶのも初めて。何からすればいいのか手順が分からない…。この最初の一歩でつまづく家族が多い。マジで多すぎる!

そりゃそうだ。親が老人ホームに入るなんてどこか他人事としか捉えていなかったから何も考えてないんだろうな。「まさかウチの親が施設に入るなんて…」と絶句する家族がいるから一応言っておく。

ピンピンコロリなんて都市伝説だ。
自分の老後もピンコロを期待するな。
介護は避けて通れないことを肝に銘じておけ。


今回は「老人ホームの入居手順!7つのステップ」と題して、入居までの手順について解説する。老人ホーム選びは識者によって色んな方法があるが、今回は正攻法を紹介する。この流れで進めれば基本的に間違いはないだろう。

0.四の五の言わずに老人ホームを見学せよ

ステップ1に入る前の序章だが、実はこれが老人ホーム選びに掛ける手間や時間を大幅に短縮する方法だ。

まずは老人ホームを見学せよ

事前知識?いらん。自宅から一番近い老人ホームでも、駅チカのアクセスの良い老人ホームでもいい。まず一か所見ろ。見ることで、老人ホーム選びの「基準」ができるはずだ。

初めてだから不安も多いだろうな。でも安心しろ。見学当日は担当者が一名付いて案内してくれる。そのとき、

「どんなサービスを提供しているのか」
「どれくらいの費用がかかるのか」
数多の施設種別からどれを選ぶべきか」

など、説明を聞いたり相談したりすることで、自分の親に相応しい老人ホームのイメージが少しづつ見えてくる。このステップ0(見学)を経験しておくと、次のステップ1以降もスムーズに進めることができる。

1.老人ホームに何を求める?希望をぜんぶ書き出せ

さて、ここからが本題だ。老人ホーム選びの最初の手順は、入居する本人や家族の希望を明確にすること。といっても、ほとんどの人は「しっかり介護してくれればいい」と漠然とした希望しかもっていない。それもそのはず。今まで親とそういった会話をしてこなかったから考えても出てこない。こればかりは今更嘆いても仕方がないな。

すべての希望が叶う老人ホームなどない

では老人ホームに求めるものは何か?あらためて親に聞けるなら聞いてもいいし、とりあえず子どもの目線でいいから書いてみろ。例えば、次のような項目を洗い出し条件を整理するといいだろう。

  • どのようなケアやサービスが必要か?(リハビリや医療的ケアは必要?)

  • どのような設備を希望するか?(機械浴?共有スペースなどは必要?)

  • 予算はいくらまで捻出できるか?(親の年金と預貯金額をチェック)

  • どのような地域・住環境に住みたいか?(地元にこだわるな!)

  • 入居後はどんな生活を送ってほしいか?(親は社交的?レクに興味は?)

そして、希望条件がいくつか出てきたら優先順位を付けろ。先に言っておく。すべての希望が叶う老人ホームはない。どのホームも一長一短ある。だから一つでも多く希望が叶うホームを選ぶといいだろう。

家族の金銭援助はほどほどにしとけ

特に予算はシビアに考えろ。老人ホームの平均的な入居期間である5年程度を想定し、「年金+貯蓄の切り崩し」で支払える金額を決める。
それと、本人の収入が少ないからって、家族がムリな金額を援助するのもやめておけ。家族にも生活がある。これは価値観の問題だが、生活水準を落としてまで親に援助しなくてもいいだろう。「親の介護は親の資金で」が基本だ。

2.老人ホームを探す

老人ホームを探す方法はいくつかある。一つに限定せず、複数の方法で探してみるといいだろう。

市役所や地域包括支援センターに相談する

役所の担当窓口(高齢福祉課など)や地域包括支援センターに相談することで、老人ホームの情報提供を受けられる。だが公的機関という性質上「ここが良さそうですね」と特定の施設を勧めることはできないから、せいぜいプリントした一覧表を受け取る程度。細かい情報の記載はないから、結局自分でネット検索したり調べることになる。

ケアマネジャーに相談する

ケアマネジャーの元には老人ホームの営業マンが足しげく訪れる。だから近隣にある老人ホームの情報なら提供してもらえるだろう。だが老人ホーム探しはケアマネジャーの本業ではない。いくら担当ケアマネとはいえ、老人ホーム探しをすべて丸投げするのは違うぞ。ちなみに大都市圏のケアマネジャーは、後述する老人ホーム紹介センターを活用する人も多い。

病院のMSWに相談する

退院後は自宅へ戻らず老人ホーム等へ住み替える場合、病院のMSW(メディカル・ソーシャル・ワーカー)が相談に乗ってくれる。病院は入院したい患者が大勢いる。治療を終えた患者は早く退院させベッドを空ける必要がある。だからMSWは老人ホーム探しに積極的に関与してくれる。場所と予算を伝えると入居できそうなホームを探してくれるMSWもいる。まずは相談だ。

知人や家族に相談する

老人ホーム探しの経験がある親戚や友人・知人に相談することで、実際に探した人の声を聞くことができる。どんな所に注意したとか、施設見学の注意点なども聞けるだろう。ただし、施設の評判(良し悪し)は主観が入るから鵜呑みにするな。参考程度にするといいだろう。

老人ホーム紹介センター

老人ホームに特化した不動産屋のような業態だ。都市部に多く全国に300社以上ある。希望条件を伝えると、条件に合う老人ホームを無料で紹介してくれる。紹介センターは施設からの紹介料で成り立っているから、無料で相談に乗ってくれる。まずは「地域名 老人ホーム紹介センター」でネット検索せよ。ただし、紹介センターは相談員のスキルにバラつきがある。なるべく複数の紹介センターを使い信頼できる相談員を見つけるといいだろう。

老人ホームのポータルサイトで検索する

ここ10年くらいで老人ホームのネット検索が一般的になった。「地域名 老人ホーム」で検索すると、老人ホームの情報を集めたポータルサイトがヒットする。そのサイトから予算や場所などを入力すると、条件に合う施設を絞りこむことができる。また、老人ホーム各社の公式サイトにはポータルサイトには掲載できなかった詳細な情報も掲載されている。

3.老人ホームを絞り込む

ステップ2の方法で老人ホームを探したら、次に入居候補先を5ヶ所以下に絞り込んでいく。老人ホームは、設備やサービス、スタッフの質、価格、住環境など、様々な点で差別化を図っている。例えば次のような感じだ。

老人ホームの設備

居室の面積は18㎡のワンルームが中心だ。これを狭いと感じるかは人それぞれだ。要介護状態になっても、手を伸ばせば物が取れるくらいの方がかえって利便性が良いと感じるだろう。居室の設備は、介護ベッド、エアコン、照明、トイレが標準的。

また、共有設備としてカフェスペース、レストラン、浴室(大浴場・個浴・機械浴など)、機能訓練室、図書室、カラオケルーム、シアタールーム等の充実度が挙げられる。ただし、共有スペースが多いほど管理費にも転嫁されるから本当に必要かどうか見極めろ。不要なものにカネを払うな。

老人ホームのサービス

提供するサービスは、必要な身体介助や生活支援を適宜提供するのはもちろん、機能訓練、レクリエーション、音楽療法、認知症ケアなど多岐に渡る。なかには園芸やアニマルセラピー等を提供している所もあるだろう。

また、サービスの質にも直結する人員体制も調べておけ。入居者とスタッフの比率は法令だと「3:1」が基準になる。この数値を上回ると手厚い人員体制と呼ばれるようになる。だだし、人員体制が手厚いほど人件費として利用料金が高くなる。まぁ当然だな。

そしてここで重要なのは、人員が手厚いことで何をしてくれるかだ。話し相手や散歩など個別対応をします、とホーム側は言うが、ざっくりどれくらいしてくれるものなのか。現状の対応を確認するといいだろう。

4.老人ホームを見学する

「見学予約」は人としての最低常識

老人ホームを見学するには予約が必要だ。基本は電話。一部のホームではネット予約もできる。それと、飛び込み見学も絶対NGではないがやめておけ。入居者にとって老人ホームは自宅そのもの。客だろうと、連絡をしてから尋ねるのが世間の常識ってもんだ。逆に、自分の親が入居しているホームに飛び込み見学がバンバン入ってきたらどう思う?それをOKとするホームに親を入れたいか?防犯上の観点からも、素性の分からない人間をそう簡単に入れるワケにはいかないのだ。

見学担当が不在だと終わり

それと老人ホームは誰でも案内できるワケじゃない。見学担当(入居相談員)が不在だと正確な空室状況も分からないし、料金説明だってできない。そもそもホームに入れてくれない事もふつうにあるから無駄足になるだろう。
事務職や介護職員を捕まえて「あなたが案内してよ」なんて絶対に言うなよ。彼らの仕事のジャマをするな。出直してこい。

きちんと見学予約をとり、いざ老人ホームを見学するときは、次の点に注意せよ。

  • スタッフの対応やホームの雰囲気

  • どんな入居者がいるのか。状態や様子を見る

  • 施設の清潔さや設備について確認する

  • 入居者のプライバシーに配慮する(館内撮影は許可を得ること!)

  • 健康診断書を持参すると話が早い(入居可否の重要な判断材料)

こうしたポイントを踏まえて、老人ホームの見学を行うことが大切だ。

5.見学したホームから絞り込む

老人ホームの見学後は、各ホームの情報をまとめ比較検討することが大切だ。見学した老人ホームのメリット・デメリットを洗い出し、本人や家族の希望に合致しているかどうかを確認せよ。

候補を絞り込んで入居先が決まればいいが、判断に迷う場合は再度訪問してもいい。「一回しか見学できない」と勘違いしている人が多いが、老人ホームは何度見学してもいい。初回訪問で聞けなかった箇所をより詳しく聞いたり、情報を入手することができるだろう。

それと、ステップ1で、「一つでも多く希望が叶うホームがいいだろう」と言ったが、実際はそうでもないケースもある。例えば、「5つの要望が叶うホームもあった。けれど、3つしか叶わないけど職員対応が素晴らしいホームに決めた」なんてのもよくある話。そのときは「親にとってどちらが幸せな生活を送れそうか」を総合的に判断すればいい。

6.老人ホームの体験入居

老人ホームの体験入居とは、老人ホームのお試し入居のことだ。正式な入居前に、老人ホームの生活を体験することができる。ぶっちゃけ、体験入居はしてもしなくてもいい。
だが、体験入居中は実際の入居者やスタッフと交流することで、生活のイメージをより具体的につかむことができる。体験しておくと、入居前の不安解消に繋がる場合もあるだろう。

体験入居は、老人ホームの選択肢が多い場合などに有効な手段。だが経験上、複数の老人ホームを体験し「ここにする!」と決定する人は少数派。「確認のために、とりあえずしておこうか」程度の人が多い。

それと、体験入居の期間は最大1週間。一泊あたり5,000~10,000円程度の費用がかかる。不安要素があるならば体験しておいてもいいだろう。

7.入居契約

見学や体験入居をして入居先が決まったら老人ホームと入居契約を結ぶ。契約前に、利用料金やサービス内容、短期契約解除等について詳しく確認しておくこと。ここで疑問点を残すな。分からなければ何度でも聞け。

それと、契約書や重要事項説明書には契約解除に関する条項がある。それが「退去要件」だ。老人ホームとて完璧ではない。入居者の身体状態によっては「退去」になることがある。例えば、「認知症の症状進行により、他の入居者とトラブルが相次いでいる」「ホームの医療体制では対応できない医療的ケアが必要になった」などがある。

何れにせよ契約書と重説の内容をしっかりと確認し、納得してから契約すること!

入居はゴールではない!家族の役割はコレ

「ようやく入居することができた!これで安心!」

慌ただしい日々が落ちつき一安心だと思うが、入居はゴール(終了)ではない。親にとっては新しい生活のスタートだ。ここを勘違いしている家族が多すぎる。「カネは払ったぞ。あとはよろしく」とホームに丸投げする家族も少なくないのが現状だ。

入居した本人は新たな環境で暮らすこととなる。初対面のスタッフに見知らぬ入居者たち。果たしてこの環境に溶け込めるのか?慣れるまで不安な日々がつづく。だから入居直後から面会し、メンタル面でのサポートが必要になる。

特に本人の意思疎通が困難な場合は、家族が代弁者としてホーム側に希望を伝えなければならない。もちろんスタッフたちとも良好な関係性を築くのも家族の役割の一つ。さらに「運営懇談会」や「ケアプラン作成の打ち合わせ」にも家族は参加する必要がある(来ない人もいるが)。

繰り返すが、入居はゴール(終了)ではない。それを忘れるな!


小菅の毒舌解説はいかがでしたか。辛口で引きましたか?
今回は割愛しましたが、各項目で伝えたいことはまだ沢山あるので、今後少しづつnoteに書いていこうと思います。

もしも「♡」が30を超えたら次回も毒舌解説してみたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます!
次回もよろしくお願いいたします。



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