作品の取り扱いについて・追記・雑感
1:不審な転売者からの連絡
先日からギャラリーに「中川多理が”転売禁止”と”転売をするならギャラリーに一報するように”という記事を見たので連絡する。入手先も何の人形かも言えないが、中川多理作品を買取って欲しい。買い取らないならこちらで転売する」という旨の連絡が複数人から来ています。
作品名も真偽も状態も解らないものをギャラリーが買い取るという習慣は、これまでもこれからもありません。セカンダリーの作品を買い取る場合は、販売者と作品を確認する義務を法律的に負っています。買い取らないなら自由にしていいのだという言質をとるための行為と思われます。転売をしないというお約束で販売した方に対して、作品をどうしても手放したい方はギャラリーに連絡を下さいという意味で告知しています。
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お人形のセカンダリーの問題は皆さん気にされているかと思います。様々な事情で手放された人形も、次にまた良い方に貰われて可愛がられていくといいなと私も思慮しています。
人の形をしている分、只の中古品というのも憚られるし、美術作品としては公にネット上で転売されると目垢がつくと言われて、人形のセカンダリーはこれまで割と内々に行われてきました。お店に預けたり、コレクター同士で譲り合ったり。そこには作品の価値を傷つけない様にという配慮があったかと思います。
ネットでの個人の転売が容易になってきた時代背景に合わせて、ヤフオクやメルカリ、まんだらけ等の二次販売店での転売が目につく様になりました。短期間での高額転売やあまりに度を超したデリカシーの無い出品でなければ黙認をしてきておりました。
この子は2019年にヤフオクに出品され、展示販売時の価格よりかなりの高額で海外の方が落札したのですが、たまたま良いオーナー様の元に行った事が後に分かりほっとしています。でもあくまでたまたまなんです。
noteでも報告を続けている様に、近年、度を超して余りに身勝手な転売をする方が増えてきている為、作品を手放す際にはまずギャラリーに御連絡くださいとお願いをしています。
理不尽な転売者、信頼できない二次販売店に搾取され好き放題にさせている状態を放置するのは、今現在作品を大切に扱ってくださっているお客様の所蔵作品の価値を下げる事にも繋がります。
本来、美術作品はその価値を守る為にギャラリー・作家が不当な作品の流出を禁止し、価格のコントロールをするものです。作品を購入したギャラリーや美術館が作品を再販売する時にも、作家との契約に基づいて行われます。海外のアートシーンではそれが為されていますが、日本では美術館においてすら作品の無断転売が行われるなど、意識が低く遅れているのが現状です。
日本の創作人形は美術品と手工芸品の狭間にあり、近年ホビー要素の強い作品も混在してある為に、ある時は「美術品だから高額で転売したい」ある時は「愛玩品で玩具なんだから壊れてて当たり前、中古品として転売したい」と、都合良く使い分けられている状況です。
作家によって作品の属性が異なる為(それが多様性があって人形の面白い所でもあるのですが)この様な事が起きていますが、私は一貫して、時に、触れて動かして楽しむ事もできる観賞用の美術作品として制作発表しています。作品の価値を不当に貶める事の無い様にしていく為に御協力をお願いしています。
2:noteの削除要請
さて、ここまで前置きが長くなりましたが、先日このnoteの記事を消せ、という連絡が届きました。「貴方との間にトラブルは無かった。note記事のせいで売上と来客数が激減したから消せ」という内容で何度も届いています。
私は現在パラボリカ・ビスギャラリーでのみ作品の販売を行っています。以前から第三者による二次販売、また作品の画像を不当に使用するなどの著作権侵害行為を行わない様に、このnoteでも再三周知しています。
私はこちらと過去にお取引きはありましたが、決裂のあと、現在に至るまで一切関わりがなく、これからも関わりはありません。お客様には関係の無い事なので、特に言明もせずおりましたが、あたかも私の過去作品の取り扱いがあると勘違いさせる様な行為が見受けられたので注意喚起をしました。実際そう思った方からの報告も複数受けています。
セカンダリーの売買においてまず保持されなければならないのが、作家の著作権です。それは作品が改編されたり、著しく劣化して作った当初の作家の意図が反映されていなかったり、そんな状態のものをセカンダリーで販売することは法律に照らしても違反行為です。
noteの削除を言ってきた店は、セカンダリーに関して「お付き合いのある作家様には許可を取っています」と発信していますが、アンティークならいざ知らず、現代作家作品で、お付き合いの無い作家・連絡の取れない作家・素性のわからない作家作品には配慮しないところも作品に触れてほしくない理由です。( 許可の取れている作家作品は別にいいと思いますよ。)
「お客様が持ち込んだものだから私は知らない、私に非は無い」といったまんだらけと同じ様な言い逃れをされない様に、どうかお客様に御協力をお願いいたします。