読書ときどき音楽も#75

「失礼な一言」石原壮一郎(新潮新書)

 年を取ったという実感は、もちろん鏡を見れば一目瞭然だけれども、頭の中身も若い頃と明らかに違うなあと感じることが増えるアラフィフ。特にひねくれてたこともあって「社会に反発する!社畜ふざけるな」や「モテない女なんぞ生きている価値はない」(どっちも大げさにした表現で特定の方の思想ではありません、悪しからず。)という鼻息の荒い表現に出会うと全力でうなずいていたのも遠い昔。今では、「社畜上等!さらにモテてもいないので力の限りしがみつきます」がモットー。
 そんな中でも、読むのをやめてしまったり久々に読んでも「合わないわ…」とすぐにブックオフ行してしまう著者も多い中、20代から現在まで逐一追っているわけではないけれど長く読んでいる著者の一人。初出は『週刊新潮』の連載で、最初から最後まで楽しく読んでいたもので、めでたく新書となったので迷わず購入。カットされた回がないのはありがたいけれど、不満を挙げるなら連載時にテーマと同じ内容で描かれていたニャロメロン先生の4コマが全てカット…。いつかご本人の著書で収録されるのを待っています。

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