他力(ときどき自力も)で楽しむ読書#23

「大相撲殺人事件」小森健太朗(文春文庫)

 単行本の発行は2004年、文庫版の発行も2008年なのにネットで「奇書」として取り上げられたことで人気が出て、文庫版が出てから10年ぐらいして
増刷がかかったという奇跡の本。こっちもネットで取り上げられているあらすじに興味を惹かれ、文庫を買うか迷っていたところ、たまたまkindleの日替わりセールに当たったことがあってとても安く購入でき一気に読んだ。
 読む前にツボったのが、「第2話 頭のない前頭」。これ、タイトルが書きたいために使ったなと思ってしまった。もちろん、トリックがしっかりしているので、ミステリー苦手な人間でも楽しく読めた。(ただし、犠牲者は多数…)
 ヒロイン(親方の娘)が放つ「一年前に幕内にいた力士も、この一年で40パーセントくらいいなくなっちゃったわねえ」がこの作品のすべてを語っていると思う。続編の「中相撲殺人事件」、電子配信のみの「小相撲殺人事件」もおすすめ。
また、たまたま別の作家から力士をネタにしたミステリー小説も発表されていてそれもそれで読んで面白かったのであるが、それはまた別の機会に。

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