読書ときどき音楽も#46

「グッディ」須藤真澄(KADOKAWA)

 書き手のファンになると、自分の場合はリアルタイムで連載している媒体があれば購入(もしくは立ち読み)し、可能な限り単行本を買う「推し活」をし、同じ作者さんでも合わないジャンルが出てくるとそこを外し、完全にダメになるとやめるのであるが、今回の作者は小学生時代にたまたま読み切り作品(タイトルは忘れたけれど河童が出てくる漫画だった)で印象に残り、現在でも好きな作品はちょいちょい買っているぐらい息の長い推しをしている。といっても「散歩もの」や「ペット」がテーマのものの方が好きなため、どちらかと言えば多分得意なジャンルである「ファンタジー系」は好きでも嫌いでもないので、リアルタイム連載で読んでいた頃は「ヒトの寿命が見えるのか」という印象しかなく、紙での単行本は購入していなかったけれど、毎度おなじみKindleセールにあがっていたので懐かしさもあって購入し一気に読む。
 年を取って人との永遠の別れを何度か経験すると、リアルタイムの頃には感じなかった悲しさが身につまされる。数年前に亡くなった人のことを思い出し、こうやってタイムリミットを知ることができたらもっとその人に優しくできたのにという後悔が今もあるので読んで良かったと痛感。その後悔があるから波長の合わない人でも最後に後味だけは悪くしたくないと常々思っている。

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