他力(ときどき自力も)で楽しむ読書#92

「ファイブスター物語」永野護(角川書店)
 読み始めてからはや30年超…。先日発売された16巻を見てしみじみ思ってしまった。元々は兄が入れ込んでいて買っていた「ニュータイプ」本誌。その看板連載である本作も最初は、「絵柄が独特すぎるし、登場人物多いし、ストーリーも分からん!」だったはずなのに、高校生ぐらいから例によってコミックス購入担当するぐらいはまってしまい、文字通り「ミイラ取りがミイラになる」である。その頃になるとキャラクターの設定の細かさ、緻密に組まれたストーリーに夢中になり、連載期間中はきちんと本誌も買ってきちんと頭に叩き込んでいる始末。
 伏線の分からんところには目をつぶっていても、ちゃんと物語には感情移入できるので良いのである。しかし、若かりし頃はとある重要キャラが「いい年して独身」に同情していたはずなのに…いつの間にやら親近感を覚え、さらに「目的があるっていいなあ…」と羨ましがってもいる。
 頼むから完結もしくはそれに近い形まで作者に頑張っていただきたいと思う作品のひとつ(あとは「ガラスの仮面」です)。


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